清浄光寺

清浄光寺について

清浄光寺（しょうじょうこうじ）は、神奈川県藤沢市に位置する時宗の総本山で、正式には藤沢山無量光院清浄光寺と呼ばれています。近世には遊行寺（ゆぎょうじ）という通称で知られ、明治時代以降は法主と藤沢上人の同一性により、遊行寺としての名前の方が一般に広まりました。この寺院はまた、「藤沢道場」とも称されています。

歴史的背景

清浄光寺の開基は、俣野氏の一族である俣野五郎景平です。彼の弟である第四代遊行上人・呑海が遊行の活動を行っていたころ、地元に存在する廃寺・極楽寺を正中2年（1325年）に清浄光院として再興しました。当初の位置は現在地から約400メートル北の光徳と呼ばれる地域にありました。この頃から、藤沢道場という名で広まり、呑海上人は藤沢上人として受け入れられました。後に彼は足利尊氏から広大な寄進を受け、寺院の影響力は増していきました。

延文元年（1356年）、清浄光院の梵鐘が鋳造され、これが確認できる中で、清浄光寺と改称されました。応永年間には、寺院は2度の火災に見舞われましたが、その度に再建が行われました。特に永享7年（1435年）に足利持氏からの寄進により仏殿が建立されました。

火災と復興

永正10年（1513年）に発生した戦火により、清浄光寺は全焼しました。この火災後、近くの長善寺に本尊が移され、復興は許可されませんでした。その後、1568年に武田信玄からの寄進が試みられるも、成功しませんでした。

時を経て、三十二世遊行上人の他阿普光が1591年に水戸に道場を建立し、藤沢の再興に向けた活動が始まりました。1607年、清浄光寺は94年ぶりに再興され、その後、清浄光寺は時宗の本山としての地位を確立しました。

近代以降の展開

明治時代に入ると、清浄光寺は明治天皇の宿泊先にもなりました。しかし、火災や震災による損失も多く、特に1911年の火災では重要な国宝を失いました。1923年の関東大震災では本堂が全壊しましたが、1937年には再建されました。

このころ、経済的困難に立ち向かう人々の避難所にもなり、1929年の恐慌時には多くの人々が無料接待を受けました。その後、文化活動も盛んに行われるようになり、遊行寺宝物館が設けられ、一遍関連の絵巻物などが展示されるようになりました。

学問と教育

清浄光寺には学寮も設けられ、時宗教団の僧侶を養成する場としての役割を果たしてきました。1748年には藤沢学寮が創設され、後に東部大学林と改称され、僧侶や信者の教養を深める場所となっています。また、1916年には藤嶺中学校が併設され、現在も教育活動が行われています。

文化財と行事

清浄光寺自体が多くの文化財を有しており、その中には国宝や重要文化財が含まれています。また、毎月行われる「開山忌」や「薄念仏会」などの行事も地域の人々に親しまれています。

文化財の例

• - 国宝の『絹本著色一遍上人絵伝』
• - 重要文化財の『絹本著色後醍醐天皇御像』

また、境内には歴史的な建築物も多く存在し、訪れる人々に深い歴史を感じさせる場となっています。清浄光寺は、時宗における重要な地点であり、多くの信者や観光客にとっての訪問先となり、信仰の場としての役割を今天日も果たしています。

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