天主教正義具現全国司祭団

天主教正義具現全国司祭団について

天主教正義具現全国司祭団（英語名：Catholic Priests Association for Justice）は、カトリック神父が中心となり、人間の尊厳や人権を重視する社会運動団体です。彼らは大韓民国の民主化と平和統一に貢献することを目的とし、正義の実現を目指しています。この団体は、一般的に「正義具現全国司祭団」や「天主教正義具現司祭団」と略称されます。

歴史的背景

この団体は1974年に設立されました。当時、カトリック原州教区の池学淳司教が民青学連事件で拘束されたことが設立の契機となりました。1970年代から1980年代にかけて、韓国では軍部による独裁が続いており、正義具現全国司祭団はその中で数々の抗議活動や運動に参加しました。具体的には、維新憲法に反対する運動や、光州市での民主化運動、貧しい人々の生存権を守るためのキャンペーンなどに取り組みました。

1987年には、朴鍾哲の拷問致死事件を暴露し、これが6月民主抗争の引き金となりました。このような背景から、団体は民族の平和統一運動や国家保安法の廃止、平和活動に注力するようになりました。

政治的立場と活動

政治的には偏った意見を持つことから、2006年にはカトリック信徒団体から「国家保安法廃止と米軍撤退を求める運動が北朝鮮労働党の手先である」と批判され、解散を求められました。それにも関わらず、正義具現全国司祭団は活動を続け、2007年にはサムスングループの裏金疑惑を暴露するなど、さまざまな問題提起を行いました。

2008年にはソウル市庁前で国民の尊厳を宣言し、国家権力に対して改心を促すイベントを実施し、米国産牛肉の輸入再開についても強く訴えました。このとき、保守的なメディアや団体からは政治的偏向行動として批判を受けました。特に、保守派のカトリック信者である朴孝鍾教授からは、「信仰を名乗った神聖冒涜である」と指摘されました。

一方、進歩的な立場のメディアや団体からは、司祭団の行動が国民と共にある姿勢として支持を受けました。例えば、2013年以降、徳寿宮大漢門前での反政府活動や、朴槿恵大統領の退陣を求める時局ミサを定期的に実施しており、政権との対立が続いています。

まとめ

このように天主教正義具現全国司祭団は、カトリック信仰に基づき、社会の不正や人権侵害に対抗し、持続的な運動を展開しています。彼らの活動はしばしば政治的に波紋を呼ぶこともありますが、それでも彼らは社会正義の実現に向けて強い意志を持ち続けています。

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