天凰山豊

天凰山 豊（てんこうやま ゆたか）

1961年8月25日、愛知県知立市に生まれた天凰山豊は、春日山部屋に所属した元大相撲力士です。本名を近藤英夫といい、身長175cm、体重143kgという体格で、押し相撲を得意としていました。

生い立ちと相撲界への転身

中学校時代は野球に打ち込み、3年生時には三塁手として5番打者を務め、知立市大会で優勝するほどの腕前でした。将来の夢は地元球団である中日ドラゴンズに入団することでしたが、中学3年の時に知人と観戦した7月場所後、春日山部屋に食事に招待されたことがきっかけで、相撲界への道が開かれます。夏休みや冬休みに部屋へ遊びに行くうちに、その雰囲気に惹かれ、中学卒業と同時に入門を決意しました。

力士としての道のり

1977年3月場所に、本名の近藤の四股名で初土俵を踏みました。1年で三段目に昇進するなど、順調な出世を見せましたが、その後はやや苦労を重ねます。しかし、西三段目筆頭で迎えた1983年7月場所に6勝1敗と大きく勝ち越し、そこから6場所連続で勝ち星を重ね、1984年9月場所で念願の十両昇進を果たしました。

新十両の場所では、千秋楽に負け越し7勝8敗という結果に終わり、翌11月場所には幕下へ陥落。その後は主に幕下中位で相撲を取り続けましたが、十両への返り咲きは叶わず、1989年7月場所で27歳という若さで現役を引退しました。

引退後とその後

引退後は、故郷である愛知県知立市で相撲料理店「天凰山」を経営しました。しかし、2017年に死去し、2024年現在、店は閉店しています。

実子も力士に

天凰山の息子である正道も力士となり、2014年7月に式秀部屋に入門しました。初土俵の際には、父の化粧回しを身につけました。2014年11月場所以降は、正龍道一成（しょうりゅうどうかずなり）の四股名で相撲を取っていましたが、2024年5月場所より、父の四股名である「天凰山」を襲名しました。

主な成績

通算成績：269勝257敗 勝率.511
十両成績：7勝8敗 勝率.467
現役在位：75場所
十両在位：1場所

場所別成績

（場所別成績の詳細は省略）

改名歴

近藤（こんどう）1977年3月場所 - 1977年5月場所
天凰 吉晃（てんこう よしあき）1977年7月場所 - 1981年5月場所
天凰山 豊（てんこうやま ゆたか）1981年7月場所 - 1987年7月場所
天虎山（てんこやま）1987年9月場所 - 1989年7月場所

参考文献

大相撲力士名鑑平成13年版、水野尚文、京須利敏、共同通信社、2000年、ISBN 978-4764104709

出典

（出典の詳細は省略）

関連項目

大相撲力士一覧

外部リンク

* 天凰山 豊 - 相撲レファレンス

天凰山豊は、野球少年から相撲界へ転身し、十両まで昇進した力士です。引退後は相撲料理店を経営し、その息子も力士として活躍するなど、相撲一家としての歴史を刻みました。

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