天国への階段 (映画)

映画『天国への階段』の概要

『天国への階段』（原題：A Matter of Life and Death）は、1946年にイギリスで公開された映画で、マイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーの共同監督作品です。この映画は、第二次世界大戦中のイギリス空軍パイロットのピーター・カーターが主人公であり、彼の臨死体験を描いた先駆的な作品として知られています。アメリカでは『Stairway to Heaven』という題名で公開され、そのタイトルは後にこのテーマの映画に影響を与えることとなりました。日本では1948年6月17日に公開されました。

あらすじ

物語は1945年、激しい戦闘が続く最中に、イギリス空軍のパイロットであるピーター・カーターが飛行中に機体を撃墜されるところから始まります。損傷した航空機は次第に制御を失い、彼はパラシュートなしに飛び降りることを決意します。彼は無線でアメリカ陸軍航空軍の通信士、ジューンに連絡を取り、彼の運命を告げると共に、愛の告白もします。通話の後、ジューンは涙を流します。

次の瞬間、舞台は白黒の異界に切り替わり、死者たちが天国に昇る様子が描かれます。ここでピーターの死についての裁判が始まるのです。ところが、彼は実際には生きていて、イギリス海峡の浜辺で目を覚まし、再びジューンと再会します。彼女との時間を過ごすピーターは、彼が死んだはずのことを信じたくないと考え、人生を続けたいと願います。

しかし、ピーターはフランス人の天使に呼び出され、異界に連れて行かれる状況に直面します。彼は死んでいない自分の意識を取り戻し、この世に未練があることを伝えます。ジューンはピーターの異常な様子に不安を感じ、医者のフランク・リーヴスに助けを求めます。フランクはピーターの脳に損傷があることを発見し、彼には残された時間が少ないことを告げます。

運命的な出来事が続き、フランクは自身もピーターを救うために立ち上がります。彼はピーターのために緊急手術を行おうとしますが、様々な困難が待ち受けています。フランクは法廷に入り、ピーターの命を救うための証拠を探していきます。彼の死の裁判は、アメリカ人の検察官がイギリス人に対する偏見を持っている中行われ、フランクは知恵と努力で彼の無実を証明しようとします。

物語の終盤、ピーターの意識が再び異界に引き寄せられる中、フランクはジューンの涙を証拠にし、彼女を守るために行動します。そして、二人は再会し、ピーターの生きることへの情熱が彼を引き戻すのです。

キャスト

• - ピーター・カーター：デヴィッド・ニーヴン
• - ジューン：キム・ハンター
• - フランク・リーヴス：ロジャー・ライヴシー
• - アメリカ人検察官：レイモンド・マッセイ
• - 天使：キャスリーン・バイロン
• - 英国パイロット：リチャード・アッテンボロー

この作品は、映画史における重要な位置を占める作品となり、スティーヴン・ジェイ・シュナイダーの著書『死ぬまでに観たい映画1001本』にも名を連ねています。生と死、愛と別れ、運命を巡る深いテーマが観る者に余韻を残す、感動的な物語です。

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