天外魔境

天外魔境シリーズの概要

「天外魔境」（てんがいまきょう）は、1989年に株式会社ハドソンからリリースされたPCエンジン専用のコンピュータRPGで、以降、数多くの派生作品や関連商品が展開されてきた人気シリーズです。この作品は、通称「天外」として知られています。

シリーズの著作権は、2012年にハドソンがコナミグループに吸収合併されたことにより、現在はコナミデジタルエンタテインメント（KDE）およびレッド・エンタテインメントが保持しています。元々の企画や原案は、レッドカンパニー（現：レッド・エンタテインメント）を主催する広井王子によって行われ、作品の背景には架空の書籍『FAR EAST OF EDEN』が存在しています。この書籍は実際には広井らによって創造されたものであり、主人公の一人であるあだちひろしのペンネームでもあります。

作品の背景と舞台設定

「天外魔境」の舞台は、16～18世紀ごろの西洋から見た誤った日本観をベースにした架空の国「ジパング」で、物語はこの地における危機と戦う「火の一族」と呼ばれる存在を中心に展開されます。火の一族は、シリーズごとに異なる解釈がなされており、『II』では「マリ」から生み出された者たちとされ、『ZERO』では「アグニ」によって高天原から派遣された者たちなど様々です。このような多面的な設定が、シリーズの魅力となっています。

当初、天外魔境は実写映画やアニメとして企画されていましたが、ゲーム化は当時のCD-ROMという新しい媒体の登場によって実現しました。広井によれば、天外魔境シリーズは「3部作3シリーズ」という大規模な構想があり、各シリーズには自らのタイトルが考えられていました。シリーズ累計販売本数は220万本以上に達しています。

主要な作品と関連商品

「天外魔境」の主要な作品には、続編やスピンオフが含まれています。ゲームだけでなく、アニメ、映画、小説、そしてさまざまなメディアに展開されており、幅広いファン層を持っています。例えば、1990年にはOVA形式で「自来也おぼろ変」が制作され、また1992年のTBS系ドラマ「運命の逆転」も天外魔境に基づいた作品です。

関連商品としては、ゲームブックや攻略ガイド、さらにはCDやコミックもリリースされており、多種多様なファン体験を提供しています。また、パチスロやポッドキャストなどメディアミックス展開も行われ、プラットフォームに応じたコンテンツが絶えず提供されています。

まとめ

「天外魔境」は、複雑な人間関係や濃密なストーリー性によって、多くのプレイヤーや観客を惹きつけてきました。架空の国・ジパングを舞台にしたこのシリーズは、今後も新たな展開が期待される文化的な遺産とも言える存在です。多様なメディアでの展開が続く中で、天外魔境が持つ独創的な魅力は、やがてさらなるファンを生み出すことでしょう。

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