天寧寺 (福知山市)

天寧寺（てんねいじ）は、京都府福知山市大呂に位置する、臨済宗妙心寺派に属する仏教寺院です。古くから北近畿地方を代表する名刹として知られ、また観音霊場とは異なる西国薬師四十九霊場の第二十七番札所としても信仰を集めています。

歴史

寺の始まりは貞治四年（1365年）に遡ります。この地を治めていた金山安泰という地頭が、著名な禅僧である愚中周乃（ぐちゅうしゅうの）を招いて開かれたのが天寧寺です。室町時代に入ると、当時の室町幕府第四代将軍であった足利義持がこの寺に深く帰依し、その庇護のもと、天寧寺は広大な境内を持つ大寺院へと寺勢を大きく拡大しました。

江戸時代初期には、臨済宗のなかでも有力な妙心寺派に帰属することになり、寺院の復興が図られました。しかし、安永六年（1777年）に発生した大火によって、残念ながら境内のほとんどの建物が焼失するという壊滅的な被害に見舞われます。

その後、かつての姿を取り戻すべく再建が進められ、庫裏（くり）、方丈（ほうじょう）、開山堂、そして仏殿（薬師堂）などが建て直されました。しかし、時の流れとともに、現在まで残されているのは、開山堂と薬師堂のみとなっています。特に薬師堂は、寛政六年（1794年）に再建された建物で、今も当時の建築様式を伝えています。

文化財

天寧寺には、創建以来の歴史や人々の信仰に関わる貴重な文化財が数多く伝えられています。これらの文化財は、国の重要文化財をはじめ、京都府や福知山市の指定文化財として大切に保護されています。

国指定重要文化財

絹本著色即休契了像（絵画）
絹本著色十六羅漢像（絵画）

京都府指定文化財

天寧寺薬師堂（建造物）
天寧寺開山堂（附：鎮守堂）（建造物）
絹本著色愚中周及像禅英賛（絵画）
絹本著色愚中周及像自賛（絵画）
絹本著色大中臣元実像（絵画）
絹本著色大中臣持実像（絵画）
天寧寺文書（27通）

福知山市指定文化財

紙本淡彩六祖慧能（絵画）
絹本著色愚中周及像（絵画）

これらの文化財は、寺の歴史や、当時の禅宗の発展、さらには地域社会との関わりを知る上で大変重要な資料となっています。

アクセス

天寧寺を訪れる際は、以下の方法があります。

公共交通機関を利用する場合

京都丹後鉄道宮福線の下天津駅で下車し、約2.5km（徒歩でおよそ35分）またはタクシーで約5分です。

自家用車を利用する場合

舞鶴若狭自動車道の福知山インターチェンジ（IC）から車で約25分です。
京都縦貫自動車道の舞鶴大江インターチェンジ（IC）から車で約22分です。

境内には駐車場が整備されており、自家用車での参拝も可能です。

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