天現寺橋

天現寺橋について

天現寺橋は、東京都渋谷区広尾五丁目に位置し、渋谷川に架かる橋です。この橋の数メートル下流では、渋谷川と笄川が合流し、その合流点から下流は古川水系本流の古川となります。天現寺橋と下流の狸橋の間には、港区と渋谷区の境界線が通っています。

橋の概要

天現寺橋は、外苑西通りが渋谷川を渡る際に利用する橋です。歴史的には、かつて笄川に架かっていた橋を天現寺橋と呼んでいました。現在、笄川は暗渠化されており、その出口は天現寺橋交差点の東側に位置し、渋谷川の橋と連続しています。

周辺環境

天現寺橋の北側には、外苑西通りと明治通りが交差する天現寺橋交差点があり、交通情報などでよく名前が挙がる場所です。交差点の北東には多聞山天現寺が、東側の明治通りには首都高速道路天現寺ランプがあります。かつて都電広尾車庫があった場所には、現在、都営広尾五丁目アパートが建っています。橋の南東には慶應義塾幼稚舎、南西には東京都立広尾病院があります。

歴史

1863年の記録によると、当時、渋谷川や古川には橋が少なく、天現寺橋は支流の笄川に架かる橋でした。渋谷川の上流には豊沢橋、古川の下流には狸橋がありました。明治時代には、狸橋のたもとにある狸蕎麦に福澤諭吉が頻繁に訪れ、この地を気に入り、狸橋の南側の土地を買収しました。この土地が、現在の慶應義塾幼稚舎と北里研究所の場所となっています。

1911年には東京市電が開通し、天現寺橋に鉄道橋が加わりました。その後、1933年までには、市電の路線が延伸され、笄川にも新たな鉄道橋が架けられました。しかし、1945年ごろ、戦時統制や鉄材供出の影響で、市電の路線の一部が廃止され、付近は米軍の空襲による被害も受けました。1947年の米軍撮影の写真には、外苑西通りが不明瞭ながら写っています。1955年ごろには、外苑西通りが完成し、鉄道橋以外はほぼ現在の形となりました。1969年には天現寺橋を渡る都電の路線が廃止され、鉄道橋部分は撤去されました。

近隣施設

天現寺
慶應義塾幼稚舎
東京都立広尾病院

参考文献

[参考文献情報]（必要に応じて追加）

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