笄川

笄川（こうがいがわ）について

笄川は、かつて東京都港区と渋谷区の境界付近を流れていた、古川水系の河川です。現在は全区間が暗渠化されており、その流れを地上で見ることはできません。

概要

笄川は、南青山一丁目から三丁目にかけて、外苑西通り沿いを流れ、青山墓地の東側を流れる支流と西麻布二丁目付近で合流し、南へと流れていました。そして、天現寺橋付近で渋谷川に合流していました。かつては青山から麻布にかけて多くの水源がありましたが、現在では根津美術館内の池と、有栖川宮記念公園内の池が、その名残をとどめるのみとなっています。

西麻布三丁目と広尾四丁目付近から天現寺橋にかけての港区と渋谷区の境界線は、この笄川の流れに沿って定められていました。広尾駅から天現寺橋にかけての境界が蛇行しているのは、この川の流路が影響しているためです。かつて西麻布四丁目付近の笄川には、牛坂へと続く笄橋が架かっており、付近の町域には1967年（昭和42年）まで「笄町」という名が用いられていました。

天現寺交差点脇の笄川合流点より上流の古川水系本流は渋谷川と呼ばれ、笄川合流点より下流は古川と呼ばれています。

橋梁

現在、笄川に架かっていた橋は、最下流部の天現寺橋以外はすべて姿を消しています。かつて存在した主な橋は以下の通りです。

笄橋
広尾橋（廣尾橋）
天現寺橋

関連文献

笄川について記述のある文献として、江戸時代の地誌である『江戸名所図会』があります。

斎藤長秋 編「巻之三 天璣之部 笄橋」『江戸名所図会』 2巻、有朋堂書店〈有朋堂文庫〉、1927年、162-164頁。NDLJP:1174144/86。

関連項目

笄町
日本の廃河川一覧

まとめ

笄川は、かつて港区と渋谷区の境界を流れていた重要な川であり、その流路は現在の町界にも影響を与えています。暗渠化されてしまった今では、その姿を直接見ることはできませんが、その歴史と名残は、地名や関連文献の中に確かに残っています。

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