天羽民雄

天羽民雄

生涯

天羽民雄（あもう たみお、1927年 - 1994年）は、日本の外交官、国際[[政治学者]]です。中国ハルビンで生まれ、東京大学法学部を卒業後、外務省に入省しました。

外務省では、数々の要職を歴任し、国際舞台で活躍しました。ジョージタウン大学での留学経験も持ち、国際情勢に対する深い造詣を培いました。外務省情報文化局長、駐ユーゴスラヴィア兼アルバニア大使、関西等担当特命全権大使などを務め、外交官としてのキャリアを積み重ねました。

退官後は、青山学院大学国際政治経済学部教授に就任し、後進の育成に尽力しました。同大学の教員には、学者だけでなく、外交官や国際ジャーナリストなど実務経験豊富な人材が多く迎えられており、天羽もその一人でした。天羽は、政治学的にはリアリズムの立場を取り、現実的な視点から国際政治を分析しました。

1995年に発行された『青山国際政経論集』33号は、「天羽民雄教授追悼号」として、その業績と人となりを偲ぶものとなっています。

家族

天羽民雄の父は、外交官の天羽英二です。天羽英二は、「天羽声明」と呼ばれる声明を発表したことで知られていますが、天羽民雄は、この声明が父の独断によるものではなかったと述べています。兄の天羽大平は日本女子大学教授（心理学）、弟の天羽浩平は東京大学工学部卒で、スタンフォード大学で工学博士号を取得後、東芝常務取締役、サンマイクロシステムズ米国副社長兼日本社長・会長などを歴任しました。

著書

天羽民雄は、外交官、国際[[政治学者]]としての経験と知見に基づき、数多くの著書を執筆しました。

『バルカンの余映：東西南北の接点ユーゴ・アルバニアの実相』（恒文社、1988年）では、バルカン半島の複雑な歴史と現状を分析しています。
『多国間外交論：国連外交の実相』（PMC出版、1990年）では、国連外交の実態を詳細に解説しています。
『日本国利論：日本の運命を見すえる警世の一冊！』（講談社、1991年）では、日本の進むべき道を提言しています。
『最後の提言：外交・世界・日本』（河出書房新社、1995年）では、外交、世界情勢、日本について、その生涯の集大成とも言える考察を述べています。

参考文献

* 土山實男「〈最終講義〉リアリズム国際政治と日本」『青山国際政経論集』（青山学院大学）103号、2019年、3-44頁。

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