天赦園

天赦園について

天赦園は、愛媛県宇和島市にある、国の名勝に指定されている美しい日本庭園です。江戸時代、宇和島藩の二代藩主、伊達宗利が海を埋め立てて造営した「浜御殿」の一部がその起源です。

七代藩主、伊達宗紀が隠居所として整備し、「南御殿」と称したのち、庭園が完成した際に、漢詩の一節から「天赦園」と名付けられました。この名は、伊達政宗が詠んだ漢詩「残躯は天の赦す所、楽しまずして是を如何せん」に由来し、余生を穏やかに過ごしたいという宗紀の思いが込められています。

庭園の特徴

天赦園は、鬼ヶ城連峰を借景とした池泉回遊式庭園で、広大な敷地の中央には池が配置され、その周囲を散策路が巡ります。園内には、伊達家の家紋にちなんだ竹が数多く植えられているのが特徴で、珍しい品種を含む18種類もの竹や笹が生い茂っています。また、藤原氏と縁があることから、多くの藤も植えられており、春には美しい藤の花が咲き誇ります。

園内には、旧潜淵館付属茶室である春雨亭が残されており、当時の面影を偲ぶことができます。また、池の護岸や陰陽石、三尊石組など、様々な石組が点在しており、見どころが豊富です。特に、臥牛石や起牛石、虎吠石といった、動物を連想させるユニークな石組は、訪れる人々を楽しませてくれます。

歴史と文化

天赦園は、昭和天皇が皇太子時代に休憩所として利用されたり、皇后が庭園を散策されたりするなど、皇室とも縁の深い場所です。その歴史と文化的な価値から、昭和43年に国の名勝に指定されました。

詳細情報

所在地: 愛媛県宇和島市
総面積: 11240平方メートル（うち、約3分の1が池）
形式: 池泉回遊式庭園
主な見どころ: 竹林、藤棚、春雨亭、石組

アクセス

天赦園は、宇和島駅から車で約10分とアクセスも便利です。近隣には宇和島城や宇和島市立伊達博物館など、観光スポットも多く、合わせて訪れるのがおすすめです。

関連情報

宇和島城: 天赦園とともに宇和島を代表する観光名所
宇和島市立伊達博物館: 伊達家の歴史と文化を伝える博物館
南楽園: 南予レクリエーション都市にある日本庭園


天赦園は、歴史と自然が織りなす美しい景観が魅力の庭園です。宇和島を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

外部リンク

公益財団法人宇和島伊達文化保存会
天赦園BLOG
宇和島市観光協会ガイド
宇和島地区広域事務組合・ふるさと南風共和国
天赦園 - 国指定文化財等データベース

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