伊達宗利

伊達宗利

伊達宗利（だて むねとし）は、江戸時代前期に伊予国宇和島藩の第2代藩主を務めた人物です。官位は従四位下・大膳大夫、侍従、遠江守に叙せられました。

生涯

初代藩主・伊達秀宗の三男として生まれました。寛永16年（1639年）に元服。兄二人が早世したため、明暦3年（1657年）に父の隠居に伴い家督を継ぎました。

藩主となると、宗利は藩政の基盤を固めるために様々な政策を実行しました。寛文10年（1670年）には八十島親隆を検地奉行に任命し、検地制度や村役人制度を確立。元禄元年（1688年）には紙の専売制度を実施しました。これらの政策によって藩の財政基盤を強化しようとしましたが、浜屋敷の造営や宇和島城の大改修といった出費も重なり、藩財政は依然として苦しい状況でした。

寛文11年（1671年）に仙台藩で伊達騒動が起こると、宗利は今村善太夫らの罪人を預かることになります。また、延宝9年（1681年）の越後騒動では、舅である松平光長が当事者であったため、宗利が幕府と越後高田藩松平家との事後処理の窓口を務めました。

元禄6年（1693年）に家督を養嗣子で娘婿の伊達宗贇に譲り隠居。宝永5年（1708年）に75歳で死去しました。法号は天梁院殿賢山紹徳大居士。

系譜

父：伊達秀宗（1591年 - 1658年）
母：朝井氏
正室：稲姫 - 大通院、松平光長の娘
長女：豊姫（1660年 - 1733年） - 真田幸道正室
次女：三保姫 - 伊達宗贇正室
側室：元泉氏
長男：兵助 - 夭折
側室：古谷氏
三女：多尾 - 夭折
三男：鐵千代 - 夭折
六男：栄之助 - 夭折
側室：昆陽野氏
次男：六松 - 夭折
四男：金十郎 - 夭折、仙台伊達綱村の嗣子内定後に早世
七男：千代之助 - 夭折
側室：田部氏
五男：富之助 - 伊達宗職の養子
四女：光（三津） - 京極高或正室
六女：賢（乾） - 伊達宗職の養女
側室：入野氏
五女：佐知 - 夭折
養子
男子：伊達宗贇（1665年 - 1711年） - 宇和島伊達家3代、伊達綱宗の三男

参考文献

近代史文庫宇和島研究会『家中由緒書 上』（近代史文庫宇和島研究会、1976年）
宇神幸男『シリーズ藩物語 宇和島藩』（現代書館、2011年）
絵本『伊達宗利の娘 豊姫物語〜家と故郷つなぐ「あんず」の縁〜』（宇和島信用金庫 企画制作、2017年）

関連項目

宇和島城
等覚寺 (宇和島市)

外部リンク

公益財団法人宇和島伊達文化保存会
天赦園BLOG | 公益財団法人宇和島伊達文化保存会
宇和島市立伊達博物館
宇和島市観光協会ガイド

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