天野進吾

天野進吾は、1942年2月2日に生まれた日本の政治家です。中央大学法学部政治学科を卒業後、1967年に静岡市議会議員に初当選し、政治の世界に足を踏み入れました。その後、静岡県議会議員も務め、1987年には静岡市長に就任、2期7年間の任期を務めました。

市長時代には、大道芸ワールドカップin静岡の開催、静清バイパスの整備、井川スキー場の開設など、数々の事業を推進しました。特に、大道芸ワールドカップは、アメリカ旅行中に大道芸に感銘を受けた天野氏が、故郷の静岡を活気づけたいという思いから20年もの構想期間を経て実現させたものです。また、静清バイパスの用地交渉では、自ら地権者と交渉し、難航していた用地買収問題を解決に導きました。

1989年には、当時郵政大臣であった大石千八氏に静岡中央郵便局の移転を提案し、移転を実現。さらに、移転後の跡地に音楽館（静岡音楽館AOI）を建設するという画期的な構想も実現させました。これは、郵便局とコンサートホールを合築した全国初の事例となりました。また、駿河区広野の海岸を建設残土で埋め立て、広野海岸公園を造成するというプロジェクトも手がけました。

しかし、市長在任中には採石業者との癒着問題が発覚し、責任を取る形で辞任。その後、衆議院議員選挙にも立候補しましたが落選しました。その後、再び県議会議員に返り咲き、合計9期務めることになります。2003年には、静清合併に伴う静岡市長選挙にも立候補しましたが、惜しくも落選しました。

2019年には、再度静岡市長選に無所属で立候補しましたが、現職知事の応援を受けた対立候補に敗れました。この際、自民党静岡県連は天野氏を除名処分としています。2022年には、長年の功績が認められ旭日中綬章を受章しました。

天野氏は、政治家としての活動だけでなく、静岡・モンゴル親善協会の顧問や静岡ヒューマンカレッジの初代学長も務めるなど、多岐にわたる分野で活躍しました。また、「行政また経営なり : 小さな試みの中から」や「静岡に残された最後の飛躍台」など、複数の著書も発表しています。自身の経験や静岡の歴史についてまとめたこれらの著書は、彼の視点や考え方を理解する上で重要な資料となっています。天野進吾は、地方政治の世界で独特の足跡を残した人物と言えるでしょう。

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