太古代

太古代 (Archean Eon)

太古代は、地球の歴史の中でかなり初期に位置し、約40億年前から25億年前までの期間を指します。この時代は、新太古代、中太古代、古太古代、原太古代といった4つの時代に分かれています。かつてこの時代は「始生代」とも呼ばれていました。これは英語でアーキオゾーイク（Archeozoic）とされることから名付けられたものです。

太古代の始まりと終わり

太古代の始まりを示す具体的な基準は確定していませんが、一般に40億年前または38億年前とされています。この時期の基準は、放射年代測定ではなく、国際標準層序年代（Global Standard Stratigraphic Age）によって定義されています。太古代の終わりは原生代の始まりとされていますが、その開始時期は1981年に提唱された25億年前を基準としています。この時代における主要な地質的変化を示す化石の証拠が見つからなかったため、厳密な年代設定は困難です。

太古代末期には、地球の内部や表面でさまざまな変化が発生し、より現代的な原生代に移行しました。

太古代の特徴

この時代には、主に原核生物である細菌や古細菌が多様化したと考えられていますが、真核生物の出現は確認されていません。太古代初期は「冥王代」として知られる地質学的証拠が乏しい時代でしたが、約40億年前には最古の岩石であるカナダのアカスタ片麻岩が形成されました。また、約38億年前にはグリーンランドのイスア地域で最古の地層が見つかり、その時代の地表環境を理解する手がかりを提供しています。

地球表層の変遷

地球は約45-46億年前に誕生し、高温の内部環境を持っていましたが、時間の経過と共に徐々に冷却されました。最古の岩石は約40億年前に形成されましたが、まとまった地層が出現するのは約38億年前からです。これ以前の地層がない理由として、活発なマントル対流による高温環境が挙げられています。この時期には地球と月が大規模な隕石衝突を受け、地表の地殻が破壊されたとも考えられています。

太古代において、地球は約4時間周期で自転していたとされ、潮汐の影響で自転速度は次第に減少していきました。32億年前には13時間周期で自転し、1年の長さはおよそ700太陽日だったと推定されています。また、この時期の海水温度は60-120℃と推測されており、29億年前以降には氷河堆積物も見つかるようになりました。太古代の大気は酸素がなく、主に窒素と二酸化炭素が存在していましたが、30億年前頃にはシアノバクテリアが出現した可能性があります。

35-38億年前の地表の状況

イスア地域の地層からは、縞状鉄鉱床や炭酸塩岩、枕状溶岩、礫岩層が認められます。これによって当時、海と陸地が存在していたことが確認されました。また、プレートテクトニクスが機能していたことも示唆されています。35億年前の地層には、ノースポールから発見された化石が含まれており、これは初期の生物の痕跡と考えられています。

大陸の生成

大陸は段階的に形成されたとされており、ジルコン結晶の分析により、27億年前と19億年前に生成がピークに達したと評価されています。27億年前には大規模なストロマトライトが存在したと考えられており、こうした両時期は陸地の発展の重要な時期でした。

生物の多様化

太古代の初期には、全生物の共通祖先が登場したと考えられており、その後に様々な古細菌と真正細菌が現れました。35億年前の地層で発見された古細菌と真正細菌の化石は、当時の生物の多様性を示しています。また、30億年前までにはシアノバクテリアが出現し始め、酸素を利用した代謝活動が進行していたと考えられ、このことが将来の真核生物の出現につながった可能性があります。

この時代は地球の歴史において重要な役割を果たしており、様々な生命活動が営まれ、地球環境の変化が進行していました。

もう一度検索