太平山 (青島)

太平山（たいへいざん）

太平山は、中国に位置する山東省青島市の象徴的な山岳地帯です。青島市内で最も高い場所（標高150メートル）であり、複雑な地形と豊かな森林が広がる美しい景勝地として知られています。全体が森林公園として整備され、多種多様な樹木が茂るこの山は、自然愛好家や観光客にとって一見の価値があります。

山の頂上には青島テレビ塔がそびえ立ち、ここからは市内の素晴らしい景観を一望できます。また、太平山は国家AAA級観光地として認定されており、訪れる人々には豊かな自然と文化が融合する空間を提供しています。

歴史

太平山の歴史は興味深いものがあります。清の時代までこの山は「会山」と呼ばれていたとされていますが、具体的な記録は残されていません。19世紀末から20世紀初頭にかけて、ドイツがこの地域を租借した際には、イルチス山（Iltis Berg）と名付けられました。この名前は、1896年に起こった海での事故で沈没したドイツの砲艦「イルティス」に由来しています。ドイツはこの場所を利用して、様々な樹木を本国やアメリカ、日本などから輸入し、植物試験場を設立しました。

第一次世界大戦勃発時の1914年、日本軍が青島を占領し、この山の名前は「旭山」へと改名されました。その後、すでに日本から輸入されたクロマツや桜が植えられていたイルチス山植物試験場は、旭公園という名に変わり、後に青島中山公園として知られるようになりました。

1922年、北京政府（北洋政府）が青島の支配権を回収した後、平和を祈るために「太平山」と改名されました。1986年には、太平山中央公園が設置され、その後数回にわたる改造を経て、現在の青島中山公園や青島植物園、動物園、欅林公園、青島山公園、百花苑、匯泉広場の7つの園区が構成されました。さらに2014年には青島世界園芸博覧会の5つの会場の一つとして選ばれるなど、ますます多くの人々が訪れる魅力的なスポットとなっています。

太平山はその素晴らしい自然環境と歴史的背景から、多くの観光客に愛される場所となっており、青島を訪れる際にはぜひ立ち寄りたい観光地の一つです。

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