太平洋テレビジョン

太平洋テレビジョン株式会社の設立とその歴史

後ろ盾となった人々

太平洋テレビジョン株式会社は、日本国内でテレビ映画の制作と配給を手掛けた企業です。その創立者である清水昭は、アメリカの放送局と関係を築くことから始めました。彼は、FEN（後のAFN）でのアナウンサー経験を活かし、日本のアニメ番組をアメリカに輸出することから事業をスタートさせました。このアイディアは、彼に紹介した軍曹から得たものでした。

清水は、教育映画製作者連盟と連携し、短編アニメのフィルムを取得しました。そしてこのフィルムをロサンゼルスの業者にサンプルとして送った結果、20本の発注を受けることに成功しました。この成功により、彼はさらに自信をつけ、田村町（現在の西新橋）にイースト・ウェスト株式会社を設立します。

NBCとの契約

しかし、アメリカのテレビ会社への手紙はほとんど無視され、清水は苦境に立たされました。そんな中、NBCからの返信を受けたことで彼は再挑戦を決意し、彼に興味を持ったNBCが清水を調査することになりました。その後、清水はNBCとの接触のためにアメリカ初の公式な訪問を果たし、見事に日本総代理人として任命されました。

帰国後、彼は企業を八重洲に移転し、太平洋テレビジョン株式会社と改名。この新たな形態により、1957年からは日本国内におけるテレビ映画の日本語版の制作と配給を手がけるようになりました。

成長とパートナーシップ

1959年には、アメリカのNBCと独占契約を結ぶなど、企業の成長は著しいものでした。また、ナショナル・テレフィルム・アソシエイト（NTA）やBBCとも提携し、『ララミー牧場』や『ボナンザ』など、多くの人気作品を日本で配給することに成功しました。さらに、日本の映画作品の国外放送権提供の事業も行い、映画部には著名な映画監督の吉村公三郎を迎え入れ、内製化を進めました。

1959年には久松保夫を取締役兼芸能部長に任命し、彼を中心に俳優600名以上、マネージャー30名以上を抱える芸能部を設立しました。この部門はテレビと映画の境界を超えたタレントマネジメント業務を開始し、さらなる成長を目指しました。ここでいくつかの芸能プロダクションを買収し、マーケットでの存在感を拡大しました。

労働争議と法的問題

しかし、1960年には大規模な労働争議が勃発し、これにより一部のスタッフや俳優が独自の組織「タレント&マネージャークラブ（TMC）」を結成します。これはかつての東京俳優生活協同組合（俳協）へとつながる道となりました。

1962年には、清水が脱税の疑いで逮捕されるという事態も発生。その後、1984年の裁判で清水は無罪が確定しますが、彼の間に会社は大きな打撃を受け、休業状態にまで追い込まれました。清水は国家賠償訴訟を起こしましたが、敗訴となり、会社の再建には多くの時間と努力が求められました。

結論

こうして、太平洋テレビジョン株式会社は日本のテレビ映画制作の歴史の中で重要な役割を果たし、一方で逆境にも直面しました。その事業の成長と変革は、当時のテレビ業界における新たな展望を切り開くものでした。

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