太田一平 (プロレスラー)

太田一平：プロレスラー人生の軌跡

1982年生まれの山梨県甲府市出身の太田一平選手は、プロレスリング・ノアに所属していた元プロレスラーです。山梨学院大学付属高等学校、山梨学院大学卒業という経歴を持ち、2005年12月24日、太田圭則名義でプロレスラーデビューを果たしました。デビュー戦では、同じく新人の青木篤志選手とタッグを組み、ベテランレスラーである三沢光晴選手&田上明選手組と対戦するという、新人離れした経験を積みました。

その後、リングネームを現在の「太田一平」へと変更します。このリングネームは、師である三沢光晴選手が名付け親です。プロレスラーとしてのキャリアにおいて、太田選手は数々の団体や選手と関わり、多くの経験を積みました。

2006年には、志賀賢太郎選手率いるパンチ軍団の一員となり、パンチパーマを強要されるなど、笑いを誘うエピソードも数多く残しています。しかし、すぐにパンチ軍団を離脱し、独自のスタイルを確立していきます。

2007年には、DRAGON GATEのCIMA選手らとの対戦で注目を集めました。CIMA選手からは「一平ちゃん」と呼ばれ、独特の罵声を浴びせられるなど、強烈なインパクトを残しました。しかし、この対戦が太田選手とCIMA選手の間の交流の始まりとなり、後にCIMA選手からDRAGON GATEへの参戦を誘われるなど、良好な関係を築きました。

同年には、選手会興行のワンナイト6人タッグトーナメントで優勝、会場からは太田コールが沸き起こるなど人気を集めました。また、師匠である三沢光晴選手とのシングルマッチでは、三沢選手の得意技であるロープワークを真似るなど、師弟関係を感じさせる場面もありました。

2008年には、鈴木みのる選手デビュー20周年記念興行のバトルロイヤルに参加し、他団体の人気選手たちと対戦する機会を得ました。しかし、男色ディーノ選手に襲われ、唇を奪われた後、失神KOで敗退するという、ノアでは異例の結末となりました。同年、結婚を発表しています。

2009年には怪我の影響で長期欠場が続き、同年10月4日、一身上の都合により引退を発表しました。引退理由は長らく明かされていませんでしたが、後に週刊プロレスの取材に応じ、師匠である三沢光晴選手の死が大きな影響を与え、引退を決断したことを明かしました。

引退後は山梨県甲府市に帰郷し、静岡を中心としたプロレス団体「ふじやまプロレス」のコーチに就任。健康のためにボディビルも始めました。2016年にはキャットファイト団体「CPE」に参戦し、総合格闘家の川畑千秋さんと結婚したことも明らかになりました。

2019年には、全日本プロレスの「青木篤志追悼大会」に、同期である青木選手への追悼として出場。岡田佑介選手とのシングルマッチを行い、プロレスラーとしての最後の試合を飾りました。

太田一平選手の得意技は、クラシックなプロレス技です。「エアプレーンスピン」や「各種ネックブリーカードロップ」など、力強いながらもジュニアらしい軽快さを兼ね備えた技を駆使し、観客を魅了しました。

入場テーマ曲には、アニメソングを使用するなど、独特のこだわりも持ち合わせていました。太田一平選手は、数々の団体を渡り歩き、多くのレスラーと交流し、独自のスタイルを築き上げた、個性豊かなプロレスラーでした。彼のプロレス人生は、多くのファンに記憶されることでしょう。

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