ネックブリーカー

ネックブリーカー (Neckbreaker)

ネックブリーカーは、プロレス技の一種であり、「首砕き」や「首折り」とも呼ばれます。相手の首に強烈な衝撃を与える、危険な技です。

概要

ネックブリーカーは、プロレスにおける古典的な技の一つです。立っている相手の後方から、相手と背中合わせになる体勢を取ります。そして、相手の後頭部を掴み、自分の肩の上に乗せます。そのまま、自分の体をマットに倒しながら、相手の頭部へ衝撃を与えます。

リバース式の新型エース・クラッシャーやダイヤモンド・カッターと似た技ですが、ネックブリーカーの方がはるかに古くから存在します。この技の元祖は、ショーマン派の大物として人気を博したゴージャス・ジョージであると言われています。

派生技

ネックブリーカーには、数多くの派生技が存在します。以下に代表的なものを紹介します。

スイング式ネックブリーカー

正面から相手を前屈みにさせ、相手の頭部を両手で掴みます。勢いを付けて相手の頭部を捕まえたまま、自分の体と相手の体を共に反転させて背中合わせになります。同時に、相手の後頭部を自分の肩に乗せ、自分の体を背面からマットに倒しながら、相手の体も倒します。マットに着地したときの衝撃で、頭部へダメージを与えます。

スインギング・ネックブリーカーとも呼ばれ、古くはフレッド・ブラッシーや全盛期のジャイアント馬場が得意技にしていました。ホンキー・トンク・マンは自身のギミックに合わせ、エルヴィス・プレスリーの曲名でもあるシェイク・ラトル&ロールの名称で用いました。オカダ・カズチカは、相手の両腕を捉えて放つクロスアーム式を繋ぎ技として使用しています。

ショルダー式ネックブリーカー

立っている相手の後方から相手と背中合わせになり、相手の後頭部を掴み自らの肩の上に乗せ、そのまま相手を倒しながら自らはマット上に尻餅をつくように着地し、その衝撃で相手の首へダメージを与えます。シットアウト・ネックブリーカーまたはシットダウン・ネックブリーカーとも呼ばれます。通常型が背中から着地するのに対し、この技は尻から着地します。後年に考案されたスタナーのリバース式ともいえます。

ビル・ロビンソンが公開したヨーロッパ式ネックブリーカーを、ドリー・ファンク・ジュニアも全盛期に多用しており、ロビンソンから直接教えられた天龍源一郎も時折使用していました。蝶野正洋なども繋ぎ技としていました。

フィッシャーマンズ式ネックブリーカー

フィッシャーマンズ・スープレックスのように正面から相手の頭を片方の腕で抱え、もう片方の腕で相手の片足の腿辺りを抱えます。その状態からスピーディーに自分の体と相手の体を同時に反転させ、同時にマットへ落下し、その衝撃で相手の頭部・背面にダメージを与えます。

相手の首を側面から取り、足を取らないまま前方に回転して決める方法もあります。主な使用者はドノバン・モーガン、ビル・ゴールドバーグなどです。

コークスクリュー・ネックブリーカー

ジョン・モリソンのムーンライト・ドライブや、武藤敬司のオリジナル技であるネック・スクリューで使用されます。クライム・タイムの合体技G9（バックフリップとの合体技）など、相手の首を側面からクラッチして、足を取らないまま前方に回転して決める方法もあります。

飛び付き式ネックブリーカー

スイング式の改良型で、四つん這いになっている相手や、若干前屈みで立っている相手に対して、助走をつけて走っていき、相手の頭部をキャッチします。そのまま止まらずにジャンプしながら相手の体を反転させて、ネックブリーカーでマットへ倒します。主な使用者はシェーン・ダグラス、大森隆男などです。

ゴリー・クラッシャー

ネックブリーカーとゴリー・スペシャルの合成技です。ゴリー・スペシャルの要領で相手を背中合わせの状態で担ぎ上げ、相手の両足を曲げて、自分の膝に掛け、相手の頭部を自分の肩の上で両手で固定します。その状態のままマットへ座り込み、その衝撃により首および背骨、さらに両腿にダメージを与える技です。

注意点

ネックブリーカーは、非常に危険な技です。誤った方法で使用すると、重大な怪我につながる可能性があります。プロレスラーは、十分な訓練を積んだ上で、この技を使用しています。一般の方は、絶対に真似をしないでください。

関連項目

* ネックブリーカー・ドロップ

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