太田治

太田治：日本のラグビー界を支えた指導者

太田治氏は、日本のラグビー界において選手として、そして指導者として長く活躍してきたレジェンドです。秋田県出身の太田氏は、秋田工業高校から明治大学へと進み、大学時代には全国大学選手権優勝に貢献するなど、早くからその才能をいかんなく発揮しました。

明治大学卒業後の1987年には日本電気に入社、NECグリーンロケッツで華々しい選手キャリアをスタートさせます。プロップとして活躍した太田氏は、日本代表として27キャップを獲得。1986年のアメリカ戦で初キャップを刻むと、その後も数々の国際試合で活躍しました。特に、宿澤広朗監督率いる日本代表チームの一員として、1989年5月28日のスコットランド戦での歴史的勝利や、1991年ワールドカップでの初勝利に貢献するなど、日本のラグビー史に名を刻む活躍を見せました。1995年ワールドカップにも出場するなど、選手として第一線で活躍し続けました。

選手を引退した後も、太田氏のラグビー界への貢献は続きます。2000年にはNECグリーンロケッツの監督に就任。2002年度にはチームを日本選手権優勝に導き、その指導力の高さを証明しました。トップリーグ参戦後の2003年には副部長に就任し、マイクロソフトカップ初代王者、2004年度日本選手権優勝と、チームを連覇に導きました。

2005年、太田氏はラグビー日本代表の初代ゼネラルマネージャーに就任。ヘッドコーチとは異なり、男子15人制チームだけでなく、女子や7人制を含むすべての日本代表チームを統括する役割を担いました。この役割において、太田氏は日本のラグビー全体の強化に尽力しました。2006年には、ジャン＝ピエール・エリサルドヘッドコーチ解任を受け、ワールドカップアジア最終予選ではヘッドコーチ代行を務めるなど、日本代表を様々な局面で支えました。後任のヘッドコーチには、NECグリーンロケッツ時代のチームメイトでもあったジョン・カーワンを招聘するなど、人脈を活かしたチーム作りにも貢献しています。

2012年には、ラグビー日本代表ゼネラルマネージャーを退任し、7人制日本代表チームディレクターに就任。その後も、2019年から2021年まではジャパンラグビートップリーグのチェアマンを務め、リーグ運営にも手腕を発揮しました。2021年9月にはジャパンラグビーリーグワンの常務理事に就任しましたが、2023年8月10日に退任。同年11月30日には男子セブンズ日本代表ナショナルチームディレクター兼U20日本代表チームコーディネーターの職を退任しました。現在は、NECグリーンロケッツ東葛のアドバイザーとして、日本のラグビー界の発展に貢献し続けています。

太田治氏は、選手として、指導者として、そして経営者として、日本のラグビー界の発展に多大な貢献を果たしてきた人物です。その功績は、日本のラグビー史に長く刻まれることでしょう。

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