太陽 (タロット)

太陽カードの解説

「太陽」はタロットの大アルカナにおける19番目のカードで、しばしば「二つの太陽のカード」と称されます。このカードは、成功や誕生、祝福、勝利、約束された将来を象徴する正位置の意味を持っています。逆位置では、不調や落胆、衰退といったネガティブな側面が表れます。

カードの構図と象徴

マルセイユ版では、このカードには人の顔を持つ「太陽」が描かれ、その周りには降り注ぐ雫、青い腰布を巻いた2人の子供、背後にはレンガ造りの壁が見受けられます。特に目を引くのは太陽から突出する16本の光線で、これらは肯定的エネルギーと否定的エネルギーが交互に描かれ、両者の融合を意味しています。さらに、カードの中心に位置する子供たちは非常に似通っており、双子の象徴として解釈されることもあります。

これらの要素は、太陽が男性的な象徴でありながら、互いに異なる性質を結びつける役割を果たすことを示しています。太陽の影響力が広範で、絶え間ない存在であることもこのカードは暗示しています。遺伝子的な影響や、土地を豊かにし、人生のサイクルを回す力を持つという点で、生命のリズムにおいて重要な役割を果たすといえます。

アーサー・エドワード・ウェイトによる解説

ウェイト版では、裸の子供が白馬に乗って光を浴びている様子が描かれており、この子供は「初々しさ、天真爛漫さ、無邪気さ」を象徴しています。背景にはヒマワリが咲き誇り、この花も「太陽の花」と称されることから、エネルギーの象徴として機能しています。子供がいる場所は、よく管理された庭園で、安全な空間を暗示しています。描かれたヒマワリの数は、最終的な完成性や円環を象徴するもので、特に運命の輪との関係を強調しています。

カバラや占星術との関連

このカードはカバラとも深く関わっており、ヘブライ文字のレーシュ（ר）との関連があります。「黄金の夜明け団」の説によれば、ホドとイェソドのセフィラを結ぶ経につながりがあります。また、占星術的には、白羊宮や獅子宮など、さまざまな星座に関連づけられていることが知られています。オズヴァルド・ヴィルトは、太陽の下で共に過ごす男女を双子座ジェミニと結びつけたと言います。

結論

「太陽」カードは、タロットにおける重要な象徴であり、人生のサイクルやエネルギーの流れを示すものです。このカードが示す成功や祝福は、他者との良好な関係や、内面的な成長の象徴でもあります。太陽の光の下で新たな可能性が開けることを象徴するこのカードは、単なる幸福を超えて、人生の本質的な変化と深い感情的な繋がりを伝える重要な役割を担っているのです。

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