太陽のあたる場所 (スティーヴィー・ワンダーのアルバム)

太陽のあたる場所 (Down to Earth)

スティーヴィー・ワンダーの6枚目のオリジナル・アルバム『太陽のあたる場所』（1966年）は、彼の音楽的スタイルの進化を象徴しています。日本では1981年11月に初めてリリースされた際、原題の『ダウン・トゥ・アース』で知られています。このアルバムは1960年代のアレンジが施され、スティーヴィー独自のポップセンスが光る作品となっています。

音楽的背景

この時代の黒人アーティストたちは、白人のポップナンバーを多くカバーする傾向がありました。スティーヴィー・ワンダーもその流れを受け継ぎ、ファンキーで情感豊かな歌声で表現しています。特にシェールのヒット曲「バン・バン」、ボブ・ディランやバーズの「ミスター・タンブリン・マン」、プラターズおよびトム・ジョーンズによる「16トン」など、彼がカバーした楽曲にはその影響が顕著に表れています。

また、スティーヴィーは「ビートルズ」、特にアルバム『ラバー・ソウル』のポール・マッカートニーからの影響を受けており、ティン・パン・アレーのスタンダードに依存することなく、よりソフトでリリカルな楽曲スタイルを追求しています。このように、彼の音楽には時代のエッセンスが色濃く反映されています。

収録曲

アルバムの収録曲は以下の通りです。

Side 1

1. 太陽のあたる場所 - A Place in the Sun (2:51)
2. バン・バン - Bang Bang (2:41)
3. ダウン・トゥ・アース - Down to Earth (2:49)
4. サンキュー・ラヴ - Thank You Love (2:53)
5. ビー・クール、ビー・カーム - Be Cool, Be Calm (And Keep Yourself Together) (2:42)
6. シルビア - Sylvia (2:32)

Side 2

1. 二人だけの世界 - My World Is Empty Without You (2:51)
2. ロンサム・ロード - The Lonesome Road (3:05)
3. エンジェル・ベイビー - Angel Baby (Don't You Ever Leave Me) (2:44)
4. ミスター・タンブリン・マン - Mr. Tambourine Man (2:29)
5. 16トン - Sixteen Tons (2:40)
6. ヘイ・ラヴ - Hey Love (2:41)

カヴァーアーティスト

このアルバムのヒット曲「太陽のあたる場所」は、他のアーティストにも多くカヴァーされています。特に日本では、尾崎紀世彦が1971年のアルバム『尾崎紀世彦アルバムNo.3〜マイ・フェイバリット・ソングス』に、浜田省吾も1996年のアルバム『ROAD OUT 'TRACKS'』に収録しています。浜田省吾にとっては、初めて人前で歌った曲がこの曲であり、彼のキャリアにも深い影響を与えた楽曲です。

このアルバムは、スティーヴィー・ワンダーの音楽的成長を示すものであり、その美しいメロディやリズムの影響は、今もなお多くのアーティストたちに受け継がれています。

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