太陽系外縁天体

太陽系外縁天体（TNO）

太陽系外縁天体（たいようけいがいえんてんたい、英: trans-Neptunian objects, TNO）とは、海王星よりも外側の軌道を公転する天体のことを指します。代表的な天体には冥王星やその近親者が含まれますが、これらは普段、外縁天体とも簡潔に呼ばれています。

外縁天体の分類

外縁天体は、さらに小さなグループに分類されます。具体的には、エッジワース・カイパーベルト天体や散乱円盤天体、セドノイドなどが存在します。特にエッジワース・カイパーベルトは30から55天文単位（au）の距離に位置し、円軌道に近い天体が多く見られます。2018年のデータによれば、528個の外縁天体に小惑星番号が付与されており、未登録のものは2000個以上に上ると言われています。

初めて発見された外縁天体は1930年に発見された冥王星であり、その後1992年に発見されたアルビオンが続きます。最も重い外縁天体は準惑星エリスであり、その後に冥王星やハウメア、マケマケが位置します。これらの天体の周囲には、80個以上の衛星が確認されています。

物理的特徴と成分

外縁天体は多様な色を持ち、灰青色から非常に赤いものまで存在します。これらの天体は、岩石や氷、アモルファス炭素などが混ざった構成を持ち、水やメタンなどの揮発性物質が含まれると考えられています。また、これらの物質はソリンや有機物で覆われている可能性があります。特に注目すべきは、太陽から150 au以上の距離を持つ天体であり、これらは「極端な太陽系外縁天体（ETNO）」として知られています。

歴史的な経緯

外縁天体の理解は、1900年代初期に遡ります。天王星と海王星の軌道の食い違いから、これに影響を与える未知の天体の存在が示唆されました。冥王星はその研究の結果として1930年に発見されましたが、その質量は他の惑星の影響を説明するには不十分でした。冥王星発見後も、外縁天体の探索は続けられ、1992年にはアルビオンが発見され、さらなる研究が進展しました。

外縁天体の探査

外縁天体を直接観測するミッションは少なく、2020年に行われた探査はNASAのニュー・ホライズンズによります。この探査機は2006年に打ち上げられ、冥王星へのフライバイを含む多くの観測を行い、結果的に外縁天体の特性を浮かび上がらせました。

現状と未来

太陽系外縁天体は、今後もさらなる観測と探査が期待されています。特に俄然興味深いのは、ETNOやセドノイドと呼ばれる非常に遠方を公転する天体で、これに伴う新たな発見や理解が進むことが期待されています。

このように、太陽系外縁天体は非常に多様で興味深い天体の集まりであり、宇宙のメカニズムを理解するための重要な手がかりとなります。

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