夷王

夷王（いおう）について

夷王は西周時代における周の王で、彼の姓は姫、名は燮です。夷王は周の懿王の子として生まれ、当初は太子としての地位にありました。懿王の死去後、共王の弟である孝王が周王として即位しましたが、孝王がその後亡くなると、夷王が王位を引き継ぎます。このように、夷王の登場は周の歴史の中でも重要な瞬間となりました。

夷王の治世の中で特に注目すべき出来事の一つは、彼の即位から2年目の出来事です。在位2年目にして、蜀人や呂人が朝廷に訪れ、貴重な瓊玉を献上しました。このような外交的な関係の構築は、夷王にとって非常に意味のあるもので、彼の治世の安定感を示す一つの証拠でもあります。

さらに、夷王の治世では内政においても重要な決断がなされました。彼の在位3年目に、紀侯が斉の哀公に関して夷王へと讒言を行いました。このことをきっかけに、夷王は哀公を罰し、鼎にて煮殺するという厳しい行動を取りました。そして、哀公の弟である胡公を新たに斉侯の地位に就けました。このように、夷王は政治的な権力を強化し、自らの地位を確立しようとしました。

しかし、時間が経つにつれて、夷王は衰弱していきました。その結果、周王の権威が以前のように保たれなくなり、多くの辺境の勢力が夷王の朝廷に参朝しなくなる事態が発生しました。これに対処するため、夷王は虢公に命じて六師を率いさせ、太原の戎を討砕するよう命じました。この出来事は、夷王が危機的な状況に直面しつつも、周王としての名声を保とうとする努力を示しています。

最終的に、夷王は彼の治世を締めくくることとなり、死去しました。その後、彼の子である厲王が王位を引き継ぐことになります。夷王の治世は、周の歴史においてさまざまな出来事を通じて語り継がれており、将来の治世に対する影響を与えたのです。

参考文献

• - 佐藤信弥『周－理想化された古代王朝』（中公新書，2016年）

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