奈多

奈多の概要

奈多（なた）は、福岡市東区に位置する町名であり、市の北端、海の中道に特有の地形が広がっています。奈多に面しているのは北側は日本海、南側は博多湾です。特に、北部には砂丘を形成する奈多海岸があり、自然の美しさが際立っています。この地域は江戸時代には「奈多落雁」として著名であり、博多八景のひとつとして親しまれていました。現在の行政地名は奈多一丁目から三丁目までのほか、奈多団地、大字奈多が含まれます。これらの地域を合計すると、376.40ヘクタールの面積を持ち、2021年12月時点での住民数は6,576人です。

地理

奈多は福岡市の中心部である天神から北へ約11キロメートル、東方向に広がっています。地理的に見れば、北は日本海の玄界灘、西は西戸崎、南は博多湾に接しており、東は三苫と塩浜と隣接しています。また、大字奈多の一部は飛び地となっているため、地形に特異性が見られます。このエリアには雁の巣レクリエーションセンターがあり、自然を楽しむ場として利用されています。

名称の由来

奈多の名前は、地域特有の崖地や砂丘の形状から生まれたとの説があります。具体的には「長処」（ながた）や「灘」（なだ）が由来とされ、荒海を意味することから、地域の地形に密接に関連していると考えられています。

歴史的背景

1970年代には人口の増加が見られ、奈多団地が建設されました。この開発に伴い、1981年には奈多小学校が開校し、地域が現在の形に整備されていきました。奈多の歴史には、1935年の雁の巣飛行場の開設や、1936年には玄界灘に面した福岡陸上飛行場が誕生してからの発展が含まれます。1977年には奈多団地の東側に新棟が完成し、さらに2002年には海の中道大橋が開通したことで、交通インフラも整いました。

産業

奈多は、17世紀初期にリチャード・コックスが記録した日記にも言及されるほどの歴史があります。その中では、琉球から輸入した芋の栽培について述べられていますが、実は奈多から三苫にかけては、かつてサツマイモ畑が広がっていました。また、昭和36年には海苔の養殖が盛んで、多くの海苔小屋が存在しましたが、昭和50年代以降はその数が減少してきました。

住民や施設

奈多の公共施設には、福岡航空交通管制部や奈多ヘリポート、奈多郵便局、奈多漁港、及び福岡市立奈多公民館などがあります。教育に関しては、奈多小学校がありながら中学校は存在しません。そのため、奈多の中学生は隣接する和白中学校に通うことになります。

施設に関しても、雁の巣レクリエーションセンターや海の中道海浜公園があり、地域の住民に豊かな自然とレクリエーションの場を提供しています。奈多には魅力的な歴史と、発展を続けるコミュニティがあり、これからも成長が期待される地域です。

交通アクセス

交通面では、九州旅客鉄道（JR九州）の香椎線が奈多駅を通っており、公共バスも西日本鉄道によって運行されています。また、道路網としては県道59号線がこの地域と他のエリアを繋いでいます。

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