福岡航空交通管制部

福岡航空交通管制部について

福岡航空交通管制部（ふくおかこうくうこうつうかんせいぶ）は、福岡県福岡市東区に所在する国土交通省の地方支分部局であり、航空交通管制を専門とする機関です。

概要

福岡航空交通管制部は、福岡飛行情報区（FIR）内の広大な空域における航空交通管制業務を担っています。具体的には、札幌、東京、神戸の各航空交通管制部の担当区域を除く、高度33,500フィート（約10km）以上の空域、および日本周辺海域と北西太平洋（高度33,500フィート以下も含む）を管轄しています。この広大な空域を安全かつ効率的に航空機が運航できるよう、九州各地や神戸ACC、東京ACCと連携し、遠隔対空通信網（RCAG）を通じて密接な情報交換を行っています。

敷地内には、航空路管制業務を行う福岡管制区管制所（Fukuoka ACC）に加え、航空交通管理センター（ATMC）が併設されています。また、近隣には福岡VORTAC（航空保安無線施設）やヘリポートの福岡空港（奈多地区）が設置されており、航空交通の安全を支えるための重要なインフラが集中しています。

歴史

福岡航空交通管制部の歴史は、1950年代に駐留米軍が運用していた航空管制業務に遡ります。以下に主な出来事をまとめます。

1954年: 駐留米軍が福岡で航空管制業務を開始。
1955年: 米軍運営の福岡ARTCCに日本人管制官が着任。
1956年: 福岡ARTCCが廃止され、板付ラプコンが新設。
1959年: 福岡空港事務所に管制課が設置。
1961年: 米軍から一部エンルート業務を引き継ぎ、福岡地区管制所が設置。
1965年: 福岡航空保安事務所の下部機構として福岡空港事務所福岡管制所が設置。
1966年: 福岡航空交通管制部が発足し、現在の体制へと移行。

福岡航空交通管制部発足後は、管轄空域の拡大や航空交通量の増加に対応するため、組織の拡充や設備の増強が進められました。特に1970年代以降は、レーダーや通信設備の近代化、管制システムの高度化が進められ、より安全で効率的な航空交通管制が可能となりました。2006年には、東京・那覇管制部が担当していた洋上管制業務を統合し、航空交通管理センター(ATMC)が設置され、東京FIRと那覇FIRが統合され福岡FIRが設置されました。これにより、より広範囲な空域を一体的に管理できるようになりました。

また、2020年代に入ってからも、セクター再編や他管制部との業務移管が行われ、より効率的な管制体制の構築が図られています。

管轄空域と業務内容

福岡航空交通管制部は、福岡飛行情報区（FIR）内の広大な空域を担当しています。具体的には、以下の空域における航空交通管制業務を行っています。

高度33,500フィート（約10km）以上の空域: 札幌、東京、神戸[[航空交通管制部]]の担当区域を除く全空域。
日本周辺海域および北西太平洋: 高度に関わらず、一部空域を担当。

これらの空域を安全かつ効率的に航空機が運航できるよう、航空路管制、進入管制、航空交通流管理など、多岐にわたる業務を行っています。また、他管制部や関係機関との連携も密に行い、航空交通の安全確保に努めています。

航空保安無線施設

福岡航空交通管制部の近隣には、航空保安無線施設である福岡VORTACが設置されています。VORTACは、超短波全方向式無線標識（VOR）と戦術航法装置（TACAN）を組み合わせた無線航行陸上局で、航空機の航行を支援する重要な施設です。福岡VORTACの識別符号はDGCで、福岡航空交通管制部のICAO空港コードの末尾2字であるDGに、VORTACを意味するCを組み合わせたものです。福岡VORTACの整備前には、福岡VOR（DGO）や板付TVOR（ITZ）が運用されていました。

また、福岡VORTACの東側隣接地には、福岡空港（奈多地区）としてヘリポートが整備され、福岡空港のヘリコプター発着を分離することにより、航空機の混雑緩和に貢献しています。

組織と設備

福岡航空交通管制部は、航空交通管制官をはじめとする様々な専門スタッフで構成されており、航空交通管制に関する高度な専門知識と技術を有しています。また、最新のレーダーシステムや通信設備、管制システムを導入し、航空交通の安全かつ効率的な運用を支えています。

まとめ

福岡航空交通管制部は、広大な空域を管轄し、複雑な航空交通を安全かつ効率的に管理する重要な役割を担っています。その歴史は長く、航空交通の発展とともに進化を続けてきました。今後も、最新技術を導入し、より高度な航空交通管制を実現することが期待されています。

その他

コールサインは「福岡コントロール」。ただし、HF波およびAがつくセクターのコールサインは「東京」
遠隔地に対空送信・受信施設・航空路監視レーダーを設置している。
予備のT, Nは「福岡コントロールT」および「福岡コントロールN」を示す。それぞれ東京もしくは神戸に設置された非常用管制卓のコールサインである。

近隣施設

管制部は海の中道の中腹部に存在しており、雁ノ巣レクリエーションセンターに隣接し、周囲は防潮林の松原に囲まれています。最寄りの交通機関は、九州旅客鉄道雁ノ巣駅、西日本鉄道和白駅、西日本鉄道「航空管制部前」バス停です。

関連項目

航空路管制
航空交通管制
航空交通管理センター (ATMC)
飛行情報区 (FIR)
* 航空管制官

外部リンク

福岡航空交通管制部へようこそ - 航空管制官公式ホームページ（国土交通省航空局内）

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