奈良村正則

奈良村正則

奈良村正則（ならむら まさのり、1854年1月15日 - 没年不明）は、明治時代に活躍した日本の人物です。旧天童藩士の家系に生まれ、弁護士、政治家、そして会社役員として多岐にわたる分野で活躍しました。また、山形県会議員や山形市会議員を務め、山形弁護士会会長も歴任しました。家柄は山形県の士族です。

特筆すべき点として、元キャンディーズのメンバーで女優・歌手の伊藤蘭は彼の曽孫にあたり、同じく女優の趣里は玄孫にあたります。

経歴

奈良村正則は、嘉永6年12月17日（1854年1月15日）に山形県士族・奈良村鐵藏の長男として生を受けました。山形法律学舎で学び、1871年に家督を相続しました。1879年には代言人（現在の弁護士）の免許を取得し、法律家としての道を歩み始めます。

1894年には、第4回衆議院議員総選挙に自由党から立候補しましたが、残念ながら落選しました。その後は、山形自由新聞社の取締役や山形共益の監査役を務めるなど、経済界でも活躍しました。

人物

奈良村正則は、1884年に有斐堂から出版された法律書籍『訴訟手続』の編纂者としても知られています。当時の法律実務に貢献したことが伺えます。晩年は七日町に寄留し、山形県山形市旅篭町に居を構えていました。

家族・親族

奈良村家は、旧天童藩士の流れを汲む山形士族の家柄です。

父：奈良村鐵藏
妻：キク（1869年 - 没年不明、佐治彌蔵の妹）
三女：ハマ（1904年 - 没年不明、伊藤太郎の妻、伊藤蘭の祖母、趣里の曽祖母）

奈良村家からは、著名な人物が輩出されています。

伊藤家：貞次（広島市長、太郎の父）、伊藤蘭（女優、歌手、元キャンディーズ）、水谷豊（俳優、歌手、伊藤蘭の夫）、趣里（女優、歌手）

参考文献

山本光嫁編『日本帝国代言人姓名録 附・法律学士姓名録』山本光嫁、1887年。
大蔵省印刷局編『官報 1901年01月15日』日本マイクロ写真、1901年。
商業興信所編『日本全国諸会社役員録 明治36年』商業興信所、1903年。
『日本弁護士協会録事（130）』日本弁護士協会、1909年。
『衆議院議員総選挙一覧 明治45年2月』衆議院事務局、1912年。
人事興信所編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年。
国民新聞社編『国民年鑑 大正7年』民友社出版部、1917年。
宮本教隆編『職業別山形市営業銘鑑』東北広告協会、1926年。
『日本辯護士名簿 大正15年7月現在』日本辯護士協會、1926年。
橋詰達雄編『山形市政四十年史』橋詰達雄、1929年。
『新聞集成明治編年史 第9巻 日淸戰爭期』財政経済学会、1936年。
日本風土民族協会編『越・佐傑人譜 昭和14年度版』日本風土民族協会、1938年。
山形県議会八十年史編纂委員会編『山形県議会八十年史 第1（明治篇）』山形県議会、1961年。
後藤嘉一『やまがた史上の人物』郁文堂書店、1965年。
* 山形市市史編さん委員会、山形市市史編集委員会編『山形市史 下巻 （近代編）』山形市、1975年。

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