奈良県立橿原考古学研究所

奈良県立橿原考古学研究所：日本の歴史を解き明かす先駆者

奈良県橿原市に位置する奈良県立橿原考古学研究所（通称：橿考研）は、日本で最も歴史のある、そして現在も活動を続ける公的な埋蔵文化財研究機関です。1938年（昭和13年）の創立以来、奈良県を中心とした広範囲にわたる遺跡発掘調査を行い、日本の歴史解明に多大な貢献を果たしてきました。

輝かしい歴史と数々の発見

橿考研の設立は、1938年（昭和13年）に遡ります。紀元二千六百年記念行事の一環として行われた橿原神宮外苑整備事業における橿原遺跡の調査が、その始まりでした。京都大学の末永雅雄博士をリーダーとする調査チームが、この地で歴史の解明に乗り出したのです。

以来、橿考研は、数々の歴史的発見で日本の考古学史にその名を刻んできました。初期の纒向遺跡の発掘調査を皮切りに、ホケノ山古墳、黒塚古墳、桜井茶臼山古墳、メスリ山古墳、藤ノ木古墳といった、学術的に極めて重要な古墳の発掘調査を数多く手がけています。

中でも、1972年（昭和47年）の高松塚古墳壁画の発見は、日本の考古学界に大きな衝撃を与え、世界的な注目を集めました。この発見は、古代日本の高度な文化と技術を改めて世界に示すものとなりました。

さらに、飛鳥京跡、東大寺、唐招提寺といった、古代日本の代表的な遺跡の発掘調査にも携わり、その成果は日本の歴史研究に大きく貢献しています。

充実した研究体制と附属施設

橿考研は、所長を頂点とした組織体制を敷き、企画部、調査部、総務課、そして博物館を擁しています。それぞれの部署が連携することで、効率的で質の高い研究活動を実現しています。

また、附属博物館は、旧石器時代から室町時代までの約3700点もの貴重な考古資料を収蔵・展示しており、一般の方々にも日本の歴史を身近に感じてもらうための重要な拠点となっています。2018年の空調設備更新による休館を経て、2021年にはリニューアルオープンを果たし、より快適な環境での観覧が可能となっています。

加えて、宇陀市には室生埋蔵文化財整理収蔵センターを設置。発掘された貴重な資料の整理・保管、そして研究活動の更なる充実を図っています。

未来への展望

今日まで、橿考研は日本の歴史解明に多大な貢献を果たしてきました。これからも、最先端の技術と、歴史への深い愛情を武器に、日本の歴史の謎解明に挑み続けます。その活動は、未来へと続く日本の歴史への理解を深めるために、ますます重要な役割を担っていくことでしょう。

アクセス情報

近鉄橿原神宮前駅下車 徒歩15分
近鉄畝傍御陵前駅下車 徒歩5分

開館時間と料金

開館時間：午前9時～午後5時（入館受付は午後4時30分まで）
休館日：毎週月曜日（祝祭日の場合は翌日）、年末年始（12月28日～1月4日）
* 料金：大人400円、大学生・高校生300円、中学生・小学生200円（団体割引あり）。奈良県減免要領に基づき、外国人観光客は無料。

収蔵文化財

橿考研附属博物館には、国宝や重要文化財など、多くの貴重な考古資料が収蔵されています。これらの資料は、日本の歴史を紐解く上で非常に重要な役割を果たしており、その価値は計り知れません。特に、藤ノ木古墳出土品は国宝に指定されており、その輝きは見る者を圧倒します。

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