奎章閣

奎章閣（キュジャンガク）

奎章閣は、李氏朝鮮時代における王立図書館の役割を果たした重要な機関であり、歴代の王家や王室に関連する文書、ならびに中国や朝鮮の文献を収蔵し、保存・修復に努めてきました。今日では、この機関は韓国の歴史的記録物を管理する貴重な所蔵庫としての役割を担っています。

設立の背景と歴史

奎章閣は1776年に、正祖の治世に昌徳宮の敷地内に設立されました。当初は中国や朝鮮の典籍を収蔵し、実学を重んじる文官たちが集まり教育を受けたり、文献研究や政策立案を行ったりするための場でもありました。特に1781年には、江華島に外奎章閣という別館が設けられ、さらなる資料の管理が行われました。

その後、1894年の甲午改革を契機に奎章閣は多くの変更を被りました。明治期以降の1924年には京城帝国大学に管理が移り、その後ソウル大学校に引き継がれる形となりました。1990年には現在の場所である冠岳区新林洞に移転し、1992年にはソウル大学校中央図書館から独立した運営を開始しました。

所蔵資料とデジタル化

奎章閣は、26万点以上の資料を所蔵しています。これらの資料の多くはデジタル化が進んでおり、オンラインで検索可能です。特に、朝鮮王朝の実録の原本を含む国宝級の文書が所蔵されており、歴史研究のための重要なリソースとなっています。

この機関は、朝鮮の歴史研究を支援するため、『奎章閣』という名の紀要を後援しており、学術的な活動も活発に行っています。奎章閣は、歴史的資源の保護と研究を通じて、朝鮮の文化と歴史の深い理解に寄与し続けています。

現在の役割

現在、奎章閣はソウル大学校に管理されており、研究者や一般市民に対しても利用できる環境を提供しています。デジタルプラットフォームの充実により、さらに多くの人々がその貴重な資料にアクセスできるようになっています。奎章閣は近代社思想を反映した研究の拠点ともなり、過去の文献を通じて現代の問題の解決に寄与することが期待されています。

このように、奎章閣はただの図書館にとどまらず、韓国の歴史を理解するための重要なパートナーであり、文化財の保存・整備だけでなく、学術的な研究をもサポートする施設なのです。

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