奥出直人

奥出 直人

奥出 直人（おくで なおひと）氏は、1954年に生まれた日本の文化人類学者です。認知脳科学とデザイン思考を専門分野とし、現在は慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の教授として、教育と研究の最前線で活躍しています。

来歴

奥出氏は兵庫県で育ち、1972年に慶應義塾高等学校を卒業しました。大学は慶應義塾大学文学部社会学科に進学し、1978年に卒業。さらに深く学問を pursued するため、同大学院社会学研究科の修士課程を修了しました（1981年）。その後、アメリカ合衆国に渡り、ジョージ・ワシントン大学大学院アメリカ研究学科で学び、1986年には博士課程を修了しています。

研究者としてのキャリアは、埼玉大学、筑波大学、日本女子大学での講師経験から始まりました。これらの教育機関で経験を積んだ後、1990年に母校である慶應義塾大学の環境情報学部助教授として着任。1998年には同 faculty の教授に昇任しました。そして、2008年からは慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の教授として、新たな領域での教育・研究を牽引しています。

専門分野と研究活動

奥出氏の専門は、文化人類学を基盤としながら、認知脳科学とデザイン思考という学際的な領域にまたがっています。文化現象や社会構造を、人間の脳機能や認知プロセスといった視点から分析し、理解しようと試みています。また、創造性やイノベーションに不可欠な「デザイン思考」にも焦点を当て、その理論的な探求に加え、実践的な応用についても研究を進めています。これらの専門知識は、メディアデザインという新たな学問分野において、多様な視点から課題に取り組み、解決策を生み出す上で重要な役割を果たしています。

主な著作

奥出氏は多くの著作を通じて、その研究成果や思考を発信しています。

単著

『アメリカンホームの文化史 生活・私有・消費のメカニズム』（住まいの図書館出版局、1988年）
『物書きがコンピュータに出会うとき 思考のためのマシン』（河出書房新社、1990年）
『トランスナショナル・アメリカ 「豊かさ」の文化史』（岩波書店、1991年）
『思考のエンジン』（青土社、1991年）
『アメリカン・ポップ・エステティクス 「スマートさ」の文化史』（青土社、2002年）
『会議力』（平凡社新書、2003年）
『デザイン思考の道具箱 イノベーションを生む会社のつくり方』（早川書房、2007年）
『デザイン思考と経営戦略』（NTT出版、2012年）

これらの単著からは、アメリカ文化、コンピュータ、思考方法、会議、デザイン思考といった幅広いテーマに対する氏の関心がうかがえます。

共著

『「デザイン言語」 感覚と論理を結ぶ思考法』（慶應義塾大学出版会、2002年）
『デザイン言語2.0 インタラクションの思考法』（慶應義塾大学出版会、2006年）

共著では、「デザイン言語」という概念を探求し、感覚と論理、あるいはインタラクションといった側面から思考法にアプローチしています。

翻訳

ジョージ・ウィリアム・ダンホフ著『夢の秘法 セノイの夢理論とユートピア』（冨山太佳夫との共訳、岩波書店、1991年）
ジョン・サッカラ著『モダニズム以降のデザイン ものの実体を超えて』（桝山寛、藤原えりみとの共訳、鹿島出版会、1991年）

翻訳活動を通じて、海外の重要な研究や思想を日本に紹介する役割も担っています。

外部リンク

奥出氏に関する情報は、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式ウェブサイトや、科学研究費助成事業データベース「KAKEN」の論文一覧、さらにはX（旧Twitter）アカウントなどでも確認することができます。

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