奥山景布子

奥山景布子について

奥山景布子（おくやま きょうこ、1966年11月7日生まれ）は、日本の小説家であり、愛知県津島市に生まれました。本名は中島美樹で、旧名は平野美樹です。彼女の学歴は愛知県立千種高等学校と名古屋大学文学部を経て、名古屋大学大学院文学研究科博士課程を修了。1999年には「『蜻蛉日記』論 内在する物語」により名古屋大学から文学博士の学位を取得しました。

経歴と活動

奥山さんは主に『蜻蛉日記』や『和泉式部日記』、さらには『源氏物語』や『とはずがたり』などの古典文学を研究してきました。高校で教諭としての経験を積んだ後、大学専任講師を務めつつ、家庭にて主婦業をこなす中で創作活動を始めました。その後、歴史小説や時代小説に焦点を当て、創作を続けていきました。

2007年にはデビュー作となる「平家蟹異聞」で第87回オール讀物新人賞を受賞。そして2009年にはこの作品を含む短編集『源平六花撰』が刊行され、正式に小説家としての歩みをスタートさせました。古典芸能にも深い造詣を持ち、能楽や落語といった伝統文化を題材にした作品も数多く書かれています。

受賞歴

彼女の作品は多くの賞にノミネートされ、受賞歴も豊富です。

• - 2007年: 「平家蟹異聞」で第87回オール讀物新人賞受賞。
• - 2008年: 「びいどろの火」で第15回松本清張賞候補。
• - 2014年: 「太閤の能楽師」で第4回本屋が選ぶ時代小説大賞候補、また同作で第4回歴史時代作家クラブ賞（作品賞）候補にも。
• - 2018年: 「葵の残葉」で第37回新田次郎文学賞を受賞し、同作で第8回本屋が選ぶ時代小説大賞も獲得。
• - 2021年: 「浄土双六」で第10回日本歴史時代作家協会賞（作品賞）候補。

作品リスト

奥山景布子は数多くの作品を世に送り出しています。主な著作を以下に示します:

• - 『源平六花撰』（2009年）
• - 『恋衣 とはずがたり』（2009年）
• - 『時平の桜、菅公の梅』（2011年）
• - 『びいどろの火』（2011年）
• - 『太閤の能楽師』（2014年）
• - 『葵の残葉』（2017年）
• - 『浄土双六』（2020年）
• - 等々。

また、児童向け作品やアンソロジーへの寄稿も行っており、幅広いジャンルでの執筆を続けています。彼女の小説は、歴史的な背景を大切にしつつ、キャラクターの心理描写や人間関係の描写が豊かで、読者に深い感情を呼び起こします。

まとめ

奥山景布子はその豊かな歴史観と独自の筆致で、日本文学界において欠かせない存在となっています。古典を愛し、また新しい物語を紡ぐ彼女の作品は、多くの読者に親しまれ続けています。

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