奥平俊六

奥平俊六（1953年 - ）は、日本美術史の研究者であり、大阪大学の教授として知られています。専門は日本・東洋美術史であり、特に屏風絵や洛中洛外図に関する研究で高い評価を受けています。

愛媛県に生まれた奥平氏は、1977年に東京大学文学部美術史学科を卒業後、1983年に同大学院人文科学研究科博士課程を単位取得退学しました。その後、國華社研究員を経て、大阪府立大学総合科学部専任講師、大阪大学文学部助教授を歴任し、1997年に大阪大学文学研究科教授に就任しました。また、京都国立博物館客員研究員や大和文華館評議員も務めました。

奥平氏の研究は、日本の美術史、特に絵画史における重要なテーマに焦点を当てています。例えば、『彦根屏風 無言劇の演出』では、彦根屏風という著名な屏風絵の持つ意味や背景を深く掘り下げています。また、『洛中洛外図舟木本 町のにぎわいが聞こえる』では、洛中洛外図を通して、当時の京都の都市生活や文化を鮮やかに描き出しています。これらの著作は、美術史研究者だけでなく、一般の読者にも日本の美術への理解を深めるきっかけを提供しています。

さらに、奥平氏は編著や監修の分野でも精力的に活動しており、『すぐわかる人物・ことば別桃山時代の美術』や『デジタル洛中洛外図屏風 島根県美本―パソコンで旅する江戸時代の京都』など、幅広いテーマの美術書を手がけています。これらの書籍は、美術史の知識を広めるだけでなく、デジタル技術を活用した美術鑑賞の新しい可能性を示唆しています。

奥平氏の著作は、緻密な考証と豊かな表現力によって、日本の美術史研究に新たな視点をもたらしています。その研究成果は、多くの研究者や学生に影響を与え、日本の美術史研究の発展に大きく貢献しています。また、教育者としても、後進の育成に尽力しており、多くの優秀な研究者を輩出しています。

主な著書としては、以下が挙げられます。

『彦根屏風 無言劇の演出』平凡社、1996
『洛中洛外図舟木本 町のにぎわいが聞こえる』小学館、2001
『屏風をひらくとき-どこからでも読める日本絵画史入門』大阪大学出版会、2014

編著・監修としては、以下のようなものがあります。

『すぐわかる人物・ことば別桃山時代の美術』監修 東京美術、2009
『デジタル洛中洛外図屏風 島根県美本―パソコンで旅する江戸時代の京都』関口敦仁共監修 淡交社、2009
『懐徳堂ゆかりの絵画』編著 大阪大学出版会、2012
* 『年譜でたどる琳派400年』河野元昭監修 中部義隆,玉蟲敏子,並木誠士著 淡交社 2015

これらの著作を通じて、奥平氏は日本の美術史研究における重要な役割を果たし続けています。

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