奥村愛

奥村 愛

日本のヴァイオリニスト、奥村愛（おくむら あい）は、1979年9月16日に生まれました。コンサートイマジンに所属し、レコードレーベルはavex-CLASSICSです。

人物と来歴

ヴァイオリニストの奥村和雄氏（かつてアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のヴァイオリン奏者を務めた経験を持つ）を父に持ち、チェリストの奥村景氏を弟に持つなど、音楽に深く根差した家庭に生まれ育ちました。アムステルダムで誕生し、父が同楽団を退団した1987年に一家で父の故郷である新潟市に移り、中学卒業までの期間を同地で過ごしました。

幼少期からキャリア形成

新潟での学生時代には、その類稀なる才能を開花させました。1994年には、第48回全日本学生音楽コンクール全国大会の中学生の部で第1位を獲得。さらに、日本音楽コンクールヴァイオリン部門では、1997年（第66回）と1998年（第67回）に入選を果たし、続く1999年（第68回）には第2位を受賞するなど、学生時代から輝かしい実績を重ねました。桐朋女子高等学校音楽科を卒業後、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コースに進み、ヴァイオリニストの辰巳明子氏に師事し、専門的な研鑽を積みました。

デビューとその後の活動

2002年、「愛のあいさつ」でCDデビューを飾りました。2004年にはオーストリアのウィーンに滞在し、そこで女児を出産。その後、活動拠点をアメリカへと移しました。

国内外での演奏活動に加え、クラシック音楽の普及にも積極的に取り組んでいます。2008年からは「キッズのためのはじめての音楽会」をプロデュースし、以降、この企画は全国各地で上演され、多くの子どもたちがクラシック音楽に触れる機会を提供しています。

私生活についてはあまり公にしていませんでしたが、2008年頃には雑誌やラジオ番組で3歳の娘がいることに触れ、プライベートの一端を垣間見せました。

音楽家以外との交流も深く、特にシンガーソングライターの小沢健二氏とは長年にわたり親交があります。2012年3月から4月にかけて東京オペラシティで行われた小沢氏のライブ「東京の街を奏でる」への参加を皮切りに、2017年のシングル収録曲のレコーディングやコンサートツアーにも参加。奥村氏自身のソロリサイタル「奥村 愛 ヴァイオリンリサイタル 美について想うとき、私たちは」の公演タイトルを小沢氏が考案するなど、現在も交流は続いています。

音楽への姿勢

練習について

練習時間に関するインタビューでは、コンサートが続いたり移動が重なったりした後には、1～2日ヴァイオリンを弾かない休息日を設け、一日ゆったりと過ごす時間に幸せを感じると語っています。その一方で、2008年3月発行の雑誌では、「練習は毎日欠かしたことがない」と述べており、プロフェッショナルとしての弛まぬ努力と、体調や状況に応じた柔軟な対応の両面をうかがわせます。

音楽と人間性

自身の音楽観については、「全ての人に愛されようとは考えていないが、音楽は素晴らしいのに人間性が…と言われるような演奏家にはなりたくない。私の音楽を好きだと感じてくれる方々には、人間的にも魅力的でありたい。なぜなら、人間性は音楽に自然と表れるものだと思うから」と語っており、演奏技術だけでなく、人間的な成長も音楽家にとって重要であるという信念を持っています。

使用楽器

現在、1738年製のカミリア・カミリーというヴァイオリンを使用しています。

メディアでの活動

幅広い分野でメディア露出があり、多くの人々にその存在を知られています。

ヤマハ「パッソル」、サントリー「ラテラテ」、サンマリエなどのCMに出演
青葉台東急スクエアのアニバーサリー&ウィンターキャンペーンモデルに起用
オーストリア滞在中、月刊誌「音楽の友」にて「ウィーン便り」というコラムを連載（渡米に伴い終了）
2008年には、日本テレビ系「THE・サンデー」にコメンテーターとして不定期出演
NHK-FM「きらクラ！」（2013年1月27日放送）にゲストMCとして出演
フジテレビワンツーネクストの音楽番組「stereo-one!」の司会を担当

ディスコグラフィー

これまで数々のCDをリリースし、録音を通じてもその音楽を届けています。

『愛のあいさつ』（2002年10月、ワーナークラシック）
『ロマンス』（2003年11月、ワーナークラシック）
『Maria』（2004年11月、avex-CLASSICS）
『愛の悲しみ』（2005年11月16日、avex-CLASSICS）
『エンターテイナー』（2005年11月16日、avex-CLASSICS）
『ヴァイオリンサミット 2006』（2006年7月26日、avex-CLASSICS） - 参加作品
『ポエジー』（2008年3月26日、avex-CLASSICS）
『THE BEST 4 奥村愛』（2008年12月3日、avex-CLASSICS）

これらの活動を通して、奥村愛氏は日本のクラシック音楽界において、演奏家としてだけでなく、教育やメディアにおいても影響力を持つ存在となっています。

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