奥津村 (岡山県)

奥津村（おくつそん）は、かつて岡山県苫田郡に存在した地方公共団体です。明治から昭和にかけての行政区域再編の過程で成立し、その後、他の村との合併によってその名称を改め、現在は岡山県苫田郡鏡野町の一部を構成しています。具体的には、現在の鏡野町奥津、奥津川西、下斎原、そして長藤の各地域が、かつての奥津村の区域に該当します。

村の成立

奥津村は、明治22年（1889年）6月1日に施行された町村制に基づいて誕生しました。この時、それまで独立した村であった西西条郡の奥津村、奥津川西村、下斎原村、長藤村の四つが合併し、新たな自治体として奥津村が発足しました。合併前の旧村名は、そのまま新設された奥津村の大字として引き継がれました。村の行政の中心となる役場は、大字奥津川西に設置されました。

所属郡の変遷

村が成立した当初、奥津村は西西条郡に属していました。しかし、明治33年（1900年）4月1日、岡山県内における郡の再編が実施され、西西条郡は西北条郡、東南条郡、東北条郡と統合されました。この郡の合併・再編に伴い、奥津村の所属は新たに設置された苫田郡へと変更されました。

他村との合併と消滅

昭和の大合併の波の中で、奥津村もその形を変えることとなりました。昭和34年（1959年）4月1日、奥津村は隣接する苫田村および羽出村と合併しました。この合併により、新たな自治体である奥津町が誕生し、奥津村は単独の自治体としての歴史を閉じました。奥津町はその後、平成の大合併を経て現在の鏡野町の一部となっています。

現在の地名と郵便番号

奥津村を構成した各大字は、村の消滅後も地域名として継承され、現在の苫田郡鏡野町において地名として使用されています。それぞれの地名、読み方、および現在の郵便番号は以下の通りです。

奥津（おくつ）：〒708-0503 苫田郡鏡野町奥津
奥津川西（おくつかわにし）：〒708-0504 苫田郡鏡野町奥津川西
下斎原（しもさいばら）：〒708-0501 苫田郡鏡野町下斎原
長藤（ながとう）：〒708-0502 苫田郡鏡野町長藤

参考情報

奥津村に関する歴史や行政区画の変遷については、当時の公的な記録をまとめた資料や、後年の研究成果に詳しい記述が見られます。例えば、明治期における市町村合併の状況を示す『新旧対照市町村一覧』や、各地の地名や歴史に関する詳細な情報を収録した『角川日本地名大辞典33 岡山県』などが参考資料として挙げられます。奥津村は、岡山県における廃止市町村の一つとして、その歴史を行政資料の中に留めています。

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