奨忠壇公園

奨忠壇公園の魅力

奨忠壇公園（チャンチュンダンこうえん）は、ソウル特別市中区奨忠洞に位置し、南山の北麓に広がる美しい公園です。この公園は、東国大学校とホテル新羅の間にあり、歴史的な背景を持つ場所として知られています。

歴史的背景

奨忠壇は、元々、現在の公園の他に、ホテル新羅や韓国国立劇場、自由センター、そしてソウルタワーホテルを含む広いエリアに広がっていました。公園内には、ソウル特別市の有形文化財第1号に指定されている奨忠壇碑や、敬老堂、体育施設、そして野外舞台があり、多彩な文化的活動が行われています。特に、泗溟大師や李儁、李漢応、柳寛順の銅像が立つことで、訪れる人々にその歴史を伝えています。

この公園の設立の背景には、1900年に高宗が奨忠壇を建立したことがあります。これは、乙未事変で暗殺された閔妃をはじめとする忠臣や烈士を祀るためのものでした。高宗は、ソウルの南を守る南小営の場所にこの祀堂を位置づけ、春秋に祭祀が行われるようになりました。

公園の改装と変遷

1919年に韓国が日本に併合されると、奨忠壇周辺には桜の木が植えられ、日本風の公園に改装されました。1932年には、伊藤博文のための寺である博文寺が建設され、1937年には日本軍の英雄の銅像が設置されました。しかし、日本の敗戦後、これらの施設は撤去され、その後の朝鮮戦争によって公園に隣接する建物も被害を受けました。

1959年には清渓川が覆われた際に撤去された水標橋が公園に移築され、1965年からは保存が進められました。その後1969年には、奨忠壇碑も移設されるなど、公園内の様々な建造物が時代に合わせて変化してきました。

政治的な舞台としての役割

奨忠壇公園は、政治的な集会やイベントの場としても知られています。1957年5月25日には、与党に対する批判を受け、野党が集まった大規模な講演会が行われ、暴力集団による妨害事件が発生しました。このような歴史は、公園の政治的意義を強調しています。

また、1971年4月18日には、金大中候補と朴正煕候補の演説が行われ、約100万人の市民が集まったことでも有名です。この選挙は、朴正煕が勝利しましたが、金大中は「朴正煕に負けたのではなく、李厚洛に負けた」と述べています。

現代の奨忠壇公園

今では、奨忠壇の元々の位置は特定できなくなっていますが、現在の公園南端にある子供野球場の向かい側と考えられています。公園の入り口には、皇太子だった純宗が書いた奨忠壇碑が立っており、その裏面には閔泳煥の文章が刻まれています。

さらに、歌手の裴湖（ベホ）が歌った『霧の奨忠壇公園』は、公園をテーマにした名曲として多くの人に親しまれています。

交通アクセス

奨忠壇公園へのアクセスは、地下鉄3号線の東大入口駅が最寄りとなっています。この便利な立地から、多くの観光客や地元の人々が訪れ、歴史と自然が調和する空間でのひと時を楽しんでいます。

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