李厚洛

李厚洛の生涯と業績

李厚洛（イ・フラク、1924年2月23日 - 2009年10月31日）は、韓国の政治界において重要な役割を果たした政治家です。彼は慶尚南道の蔚山郡で生まれ、1942年に蔚山農業学校を卒業した後、1943年には日本の大刀洗陸軍飛行学校に入隊しました。第二次世界大戦の終戦後、李は韓国に帰国し、1946年には少尉として軍事英語学校を卒業、また陸軍参謀学校も1949年に卒業しました。

1950年、彼は日本に滞在しながら第25師団で研修を受けていましたが、朝鮮戦争の発生に伴い帰国。1951年には陸軍本部情報局次長として勤務し、同年には情報局長代理にも任命され、米国に渡り兵科教育を受けるなど、軍人としてのキャリアを積んでいきました。1954年には教育総本部参謀長としての職務を遂行し、その後、駐アメリカ大使館の武官なども歴任しました。1961年には予備役に編入され、政治の世界に入るきっかけを得ることとなります。

李厚洛が政界に本格的に進出したのは、朴正煕により国家再建最高会議広報室長に任命されたことがきっかけでした。彼は、第三共和国の行政の中で、素早く大統領秘書室長や駐日本大使などの重要なポジションを務めました。特に1971年の大統領選挙においては、朴正煕陣営の総指揮を執る役割も担いました。さらに彼は1972年には北朝鮮の金日成と密会し、南北共同声明に関与するなど、韓国の歴史において特筆すべき出来事に携わりました。

しかし、彼のキャリアは思わぬ波乱によって揺らぐことになります。1973年、李は尹必鏞事件と金大中事件に関与したとして中央情報部長を解任されました。特に金大中事件における彼の関与は、政治的な非難を招きました。1978年には無所属で国会議員に立候補し当選した後、民主共和党に入党。しかし、朴正煕の暗殺や新軍部の登場などが影響し、1980年には国会が解散され、議員職を失うこととなります。

以降は政界から距離を置き、隠遁生活に入ることとなりました。彼の死は2009年10月31日、脳腫瘍と老年性疾患によりソウルの病院で迎えられました。彼の遺族は、国内外に多くの不動産や財産を有しており、数百億から千億ウォンに達するとされ、李厚洛は経済的にも成功した人物と見なされています。

また、彼の家族背景も注目に値します。長男は実業界で活躍し、次男や五男の配偶者も名門グループ出身者と結婚しており、これらは李厚洛家の影響力を感じさせる要素でもあります。彼自身の栄光と影の部分、そしてその親族たちもこの歴史の一部を共有していることで、韓国政治の奥深さを感じることができるでしょう。

もう一度検索