女と銃と荒野の麺屋

『女と銃と荒野の麺屋』（原題：三槍拍案驚奇）は、2009年に公開された中国映画です。この作品は、コーエン兄弟によるアメリカ映画『ブラッド・シンプル』を、中国の時代劇という舞台設定に置き換えてリメイクしたことで注目を集めました。

物語の舞台は、万里の長城の最西端に位置する嘉峪関です。ここで麺屋を営むワンは、妻と従業員のリーが不倫関係にあるのではないかと疑念を抱き始めます。その疑念を晴らすため、ワンは地元の巡回警察官であるチャンに二人の行動を密かに監視させます。チャンの報告から妻の不貞を確信したワンは、チャンに妻とリーの殺害を依頼します。しかし、チャンは一度は依頼を受けたかのように見せかけながら、実際にはワンを銃撃してしまいます。金庫を開けようと試みるも失敗し、その場を逃走。

一方、ワンと改めて話し合うために店を訪れたリーは、血まみれのワンを目撃し、妻が犯人だと誤解します。そして、リーは単独でワンを始末することを決意します。しかし、事態はこれで終わらず、チャンもまた金庫を開けるために店へと戻ってきます。それぞれの思惑が交錯し、物語は予期せぬ方向へと展開していきます。

この作品には、個性豊かな俳優陣が出演しています。ワンの妻役を演じたのは閻妮（ヤン・ニー）、ワン役は倪大紅（ニー・ダーホン）、チャン役は孫紅雷（スン・ホンレイ）、リー役は小瀋陽（シャオ・シェンヤン）がそれぞれ務めています。また、ジャオ役を程野（チェン・イエ）、チェン役を毛毛（マオ・マオ）、隊長役を趙本山（チャオ・ベンシャン）が演じ、物語に深みを与えています。

監督は、中国を代表する映画監督である張芸謀（チャン・イーモウ）が担当しました。脚本は徐正超（シュウ・チェンチャオ）と史建全（シー・チエンチュアン）が共同で執筆しています。製作は張偉平（チャン・ウェイピン）、江志強（ビル・コン）、グウ・ハオが担当しました。撮影は趙小丁（チャオ・シャオティン）、美術は韓忠（ハン・ヂョン）、音楽は趙麟（チャオ・リン）、録音は闘経（タオ・チン）がそれぞれ担当しています。

本国公開版と国際版では、エンディングに違いがあります。本国公開版では、出演者全員が麺を回しながらダンスを踊るシーンがありますが、日本公開版や日本版DVD版、そして国際版ではこのシーンはカットされています。この違いも、作品を鑑賞する上で興味深い点と言えるでしょう。

この映画は、単なるリメイク作品にとどまらず、中国の時代劇という独特の背景の中で、欲望、裏切り、そして滑稽さが複雑に絡み合う、独特の世界観を創り上げています。コメディ要素とスリリングな展開が融合した、見ごたえのある作品です。

関連リンク
公式ウェブサイト （日本語）
女と銃と荒野の麺屋 - allcinema
女と銃と荒野の麺屋 - KINENOTE
A Woman, a Gun and a Noodle Shop - オールムービー（英語）
* San qiang pai an jing qi - IMDb（英語）

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