女囚さそり 701号怨み節

女囚さそり/701号怨み節

『女囚さそり/701号怨み節』は、1973年に公開された東映製作の日本映画で、人気シリーズ『女囚さそり』の第4作目にあたります。

概要

主演の梶芽衣子は、前3作の監督、伊藤俊也との確執から、続編の制作に難色を示していました。しかし、東映は高倉健主演の『ゴルゴ13』との併映を考慮し、何としても『さそり』シリーズを継続させたかったのです。そこで、梶の要望を受け入れ、監督を長谷部安春に交代。これにより、シリーズは新たな展開を見せることになりました。

長谷部監督は、伊藤監督とは異なるアプローチで本作に取り組みました。観念的な表現を避け、娯楽性を重視した演出を心がけました。梶自身も、後年のインタビューで本作がシリーズで最も気に入っていると語っており、監督交代が作品に良い影響を与えたと言えるでしょう。

物語は、過去に殺人を犯し逃亡していた松島ナミが警察に捕まるも、脱走するところから始まります。逃亡中にナミは元学生運動家の男、工藤と出会い、彼と協力して逃走を続けます。本作では、シリーズおなじみのアクション、拷問、リンチ、レイプといった過激な描写に加え、ナミのロマンスも描かれています。また、前作まで男性が務めていた刑務所の所長や看守の役を、初めて女性が演じている点も特徴的です。

ストーリー

鬼警部・児玉の執拗な捜査により逮捕された松島ナミ、通称「さそり」は、護送中に事故に遭い脱走。負傷した彼女を介抱したのは、ヌードスタジオの照明係であり、元学生運動の過激派メンバーだった工藤でした。警察の拷問により片足が不自由になっていた工藤と、犯罪者という共通の立場から、ナミは安心感を覚え、二人は次第に心を通わせていきます。しかし、工藤に嫉妬した愛人のみどりが警察に通報したことで、二人の逃避行は新たな局面を迎えます。

スタッフ

監督: 長谷部安春
企画: 吉峰甲子夫
原作: 篠原とおる
脚本: 神波史男、松田寛夫、長谷部安春
撮影: 仲沢半次郎
音楽: 鏑木創
製作: 東映東京撮影所

キャスト

松島ナミ（さそり）: 梶芽衣子
第一級殺人と脱獄を繰り返す女。冷酷で執念深い性格。逃亡中に工藤と出会い、共に逃避行を続ける。
工藤安男: 田村正和
ヌードスタジオの照明係。元学生運動の過激派。警察の拷問で片足が不自由になった。ナミと出会い、逃亡を助ける。
児玉武志: 細川俊之
警視庁捜査一課の警部。ナミの逮捕に執念を燃やす。過去に工藤を拷問した。
中曽根所長: 楠田薫
女性刑務所の所長。規律に厳しく、女囚を虐待する。
大門看守長: 森秋子
慈悲深く、女囚の心に寄り添おうとする看守長。
南村看守: 根岸明美
中曽根に感化され、女囚に厳しく当たる看守。
稲垣明子: 中原早苗
死刑囚。大門に支えられ、写経に励む。
広瀬刑事: 土方弘
児玉の部下。
高井刑事: 大下哲矢
児玉の部下。
みどり: 渡辺やよい
ヌードスタジオのダンサー。工藤の愛人。
工藤トメ: 初井言栄
工藤の母。
児玉絹代: 金井由美
児玉の妻。人質になった際に転落死する。

その他

日本では、『ゴルゴ13』との2本立てで公開され、1974年の邦画配給収入ランキングで7位を記録しました。

外部リンク

MOVIE WALKER PRESS
KINENOTE
映画.com
* allcinema

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