長谷部安春

長谷部安春の生涯と業績

長谷部安春（はせべ やすはる、1932年4月4日 - 2009年6月14日）は、日本の映画監督として広く知られている人物です。東京府東京市出身で、東京都立新宿高等学校を卒業後、早稲田大学第一文学部仏文科で学びました。彼の家族にも著名な人物が多く、次女は女優・長谷部香苗、長男は脚本家のハセベバクシンオー、そして孫は俳優の三村和敬です。

経歴の始まり

長谷部は東京市牛込区赤城下町、現在の新宿区で生まれ育ちました。大学卒業後、脚本家の松浦健郎に師事し、雑誌編集者を経た後、1958年に日活に入社。彼は鈴木清順をはじめとする著名な監督の助監督を務め、その後、1966年に『俺にさわると危ないぜ』で自身の監督デビューを果たしました。

代表作と日活ニューアクション

長谷部の代表作には『野良猫ロック』シリーズや『流血の抗争』といったハードボイルド・アクション作品が含まれます。彼は、藤田敏八、澤田幸弘、小澤啓一らとともに日活の「ニューアクション」路線を支えました。特にロマンポルノ転換後も、彼はこの路線で多くの作品を手掛けましたが、西村昭五郎とは違い、長谷部は数本のロマンポルノを撮るにとどまります。

多彩なジャンルでの活動

その後、長谷部は現代劇や時代劇など多様なジャンルで活躍します。特には、彼のロマンポルノ作品では、レイプシーンや恐怖描写に重厚なクラシック音楽を使用するなど、独自の演出スタイルを確立しました。1970年代後半にはテレビドラマへとシフトし、特に『特捜最前線』『大都会』『あぶない刑事』などの刑事アクションにおいて多くの作品を手掛けました。

映画とテレビ界での影響

彼の映画作品やテレビドラマは、そのスタイルやテーマによって多くの影響をもたらしました。テレビ作品への初参加は1960年代後半の『恐怖劇場アンバランス』であり、その後も数多くのシリーズを手掛けるようになります。『あぶない刑事』は特に象徴的な作品であり、長谷部の独創的な視点が反映されています。

編集者としての一面

また、彼は編集者時代にも藤井鷹史という筆名で執筆活動を行い、脚本執筆時にもこの名前を使用していました。長谷部自身の多様な才能は、映画だけでなくテレビの制作環境にも影響を与えました。

彼の遺作と死

2009年6月14日、長谷部安春は肺炎により亡くなりました。享年77歳でした。彼の死後、息子が原作した映画『相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿』が遺作となり、彼の名は生き続けます。長谷部安春の業績は、今もなお多くの人々の記憶に刻まれ、映画界での影響力は揺るぎないものです。

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