女房は生きていた

女房は生きていた (Move Over, Darling)

『女房は生きていた』は、マイケル・ゴードン監督が1963年に手がけたアメリカのコメディ映画です。ドリス・デイ、ジェームズ・ガーナー、ポリー・バーゲンといった名優たちが主演を務め、観客を笑いの渦に巻き込みました。

この作品は、1940年の映画『ママのご帰還 (My Favorite Wife)』のリメイクであり、さらに遡るとアルフレッド・テニスンの物語詩「イノック・アーデン」に着想を得ています。また、本作以前にもマリリン・モンロー主演で『Something's Got to Give』という作品が企画されましたが、モンローの急逝により未完に終わっています。

あらすじ

エレン・ワグスタッフ・アーデン（ドリス・デイ）は、飛行機事故で行方不明となり、夫のニック（ジェームズ・ガーナー）は5年後、彼女の死亡宣告を受けます。ニックは新たな人生を歩むため、ビアンカ（ポリー・バーゲン）との結婚を決意しますが、なんとその当日、エレンが生きて帰ってくるのです。

混乱するニック、怒りと悲しみに暮れるエレン。さらに、エレンが無人島でハンサムな男性スティーヴンと過ごしていたことが発覚し、事態はますます複雑化します。重婚の疑いをかけられたニックは、法廷で離婚騒動に巻き込まれ、最終的にエレンとの婚姻が継続していることが確認されます。エレンは無事に家に戻り、子どもたちやニックとの再会を喜びます。

キャスト

エレン・ワグスタッフ・アーデン：ドリス・デイ（吹替：楠トシエ）
ニック・アーデン：ジェームズ・ガーナー（吹替：羽佐間道夫）
ビアンカ・スティール・アーデン：ポリー・バーゲン（吹替：増山江威子）
グレイス・アーデン：セルマ・リッター
スティーヴン・バーケット：チャック・コナーズ

制作の背景

脚本は、『ママのご帰還』をベースに、複数の脚本家によって執筆されました。当初マリリン・モンロー主演で企画された『Something's Got to Give』は、モンローの降板と急逝により頓挫しましたが、20世紀フォックスは企画を再始動させ、新たなキャストとスタッフで本作を制作しました。

撮影中には、ジェームズ・ガーナーがドリス・デイの肋骨を誤って骨折させてしまうというアクシデントもありました。また、セットの一部は、未完となった『Something's Got to Give』から流用されています。

興行収入と評価

『女房は生きていた』は、1963年のアメリカ国内で大きなヒットとなり、20世紀フォックスの経営を支えるほどの成功を収めました。

サウンドトラック

"Move Over, Darling"：ドリス・デイが歌う主題歌。全英シングルチャートで8位を記録。
「婚礼の合唱」：ワーグナーのオペラ『ローエングリン』より。結婚式の場面で使用。
「夢見る人」：スティーブン・フォスター作曲。エレンの追悼式の場面で使用。

備考

この映画は、1964年のロイヤル・フィルム・パフォーマンスに選ばれ、エディンバラ公が臨席してイギリスでプレミア上映されました。

『女房は生きていた』は、ドリス・デイの代表作の一つとして、今もなお多くの人々に愛されています。コメディとしての面白さはもちろん、夫婦の愛や家族の絆を描いた感動的な作品でもあります。

外部リンク

Move Over, Darling - IMDb（英語）
女房は生きていた - allcinema
女房は生きていた - KINENOTE
Move Over, Darling - オールムービー（英語）
女房は生きていた - MOVIE WALKER PRESS
女房は生きていた - 映画.com

もう一度検索