好きです かわさき 愛の街

「好きです かわさき 愛の街」

神奈川県川崎市の市民に愛されている「好きです かわさき 愛の街」は、1984年に制定された市民の歌です。この歌は、市制60周年を祝うために制作され、市民の連帯感を高め、新しい街づくりを推進する目的で作られました。

歴史と制作の背景

この歌は、1934年に制定された川崎市歌に続く形で採用されました。新たに市民の歌を作成するための一般公募が行われ、テーマに沿った歌詞が156通寄せられました。その中から4人の審査員が選考し、肥後義子による歌詞が最優秀作に選ばれました。作曲は山本直純が担当し、1984年11月3日の文化の日に正式に発表されました。オリジナル版の歌唱は芹洋子が行い、コーラスはロイヤル・ナイツが担当しています。

2014年には、川崎市の90周年を記念して、ご当地アイドル「川崎純情小町☆」がこの歌をカバーしました。

ごみ収集車のメロディー

この歌は、市民の歌としての役割だけでなく、川崎市環境局のごみ収集車でも使用されています。1985年から、この車両が収集活動中に流しているオルゴール版のメロディーは、多くの市民によって「ごみ収集車の曲」として認知されています。以前はバダジェフスカの「乙女の祈り」が使用されていましたが、この変更により、市民にとって新たな親しみのある楽曲となりました。

面白いことに、市民の中にはこの曲が川崎市民の歌であることを知らない人も多くいました。2019年には、川崎市が行った調査によると、約41.5%の18歳以上の市民が「好きです かわさき 愛の街」を聴いたことがあると回答しており、川崎市歌の認知度（約10%）を大きく上回っていることがわかりました。

認知度と印象

年代別の認知度では、若年層が特にこの曲に親しんでおり、性別では女性の方が男性よりも多く知っている傾向が見られました。地域別では中原区の認知度が最も高い結果が出ています。市民から寄せられた印象については、「明るい」「親しみやすい」といった評価が多くされていますが、一方で「時代に合っていない」との意見も散見されます。

市当局以外での使用例

この歌は、川崎フロンターレのサッカー試合でも重要な役割を果たしています。選手入場の際に、サポーターが一致して歌を斉唱する伝統があります。これは本拠地である等々力陸上競技場で行われ、歌詞がオーロラビジョンに表示されることになっています。

また、中原区に位置するコミュニティ放送局「かわさきFM」では、毎週定期的にこの歌を放送しています。さらには、川崎市を舞台とした漫画『天体戦士サンレッド』のアニメ版第33話では、この曲が特殊エンディングテーマとして使用され、市からの音源提供がクレジットされています。

このように「好きです かわさき 愛の街」は、川崎市における文化的活動や地域のつながりを象徴する曲として、今も市民の心に息づき続けています。

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