如意輪寺 (小郡市)

如意輪寺の概要

如意輪寺（にょいりんじ）は福岡県小郡市横隈にある真言宗御室派の寺院で、山号は清影山です。この寺院の本尊は立像の如意輪観音であり、日本では唯一、寺院に安置された二体のもので、福岡県の指定文化財としても貴重な存在です。今から遡ること平安時代後期に作られたとも言われるこの像は、深い歴史的な意義を持っています。現在では「かえる寺」としても広く知られており、多くの訪問者が集まります。

歴史

如意輪寺の創立は、元禄十年に記された「井上組寺社開基」によると、726年に行基によって開かれたとされています。この年は孝謙天皇の勅願によるものであり、由緒ある寺院としての名声が築かれ始めました。しかし、江戸時代初期には衰退し、わずかに茅舎1堂だけが残る状態となってしまいました。これを惜しんだ久留米藩主の有馬忠頼氏が寺の復興に尽力し、再びその息吹を吹き込むこととなります。

その後、有馬豊祐が久留米藩より分知されて松崎藩を創設しましたが、貞享元年（1684年）の松崎藩改易により再び衰退の道をたどります。江戸幕府の支配が続く中、元禄5年（1692年）に郷民たちの支援によって再興され、その後、久留米藩の治下に戻ります。

1778年、安永7年には久留米藩主有馬頼徸により、この寺は筑後三十三観音霊場の第8番札所に認定され、信仰の中心地としての役割が強化されました。

現代の如意輪寺

現在、如意輪寺はその名の通りカエルに関連した行事が特徴的です。特に、境内には多くのカエルの置物が置かれており、住職の収集によるものです。毎年6月6日には「カエル祭り」が開催され、多くの人々が参加してそのユニークな文化を楽しんでいます。訪れる人々は、カエルの置物を見ながらその意味するところに思いを馳せることができ、思い出の一部として持ち帰ることでしょう。

このように、如意輪寺は単なる歴史的な寺院に留まらず、地域の文化と信仰が融合した生きた存在であり続けています。

アクセス

西鉄天神大牟田線の三沢駅からは徒歩で約15分、また大分自動車道の筑後小郡インターチェンジからは車でおおよそ10分程でアクセス可能です。便利な立地に位置し、気軽に訪れることができるのも魅力の一つです。

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