如是村

如是村：芥川流域の消えた村落

如是村は、かつて大阪府三島郡に存在した村です。現在の高槻市南西部、淀川水系の支流である芥川の下流域に広がっていました。村名の由来は、地域を流れる女瀬川にちなみ、仏教用語「如是我聞」から一字を取って「如是」と名付けられたと言われています。この地名は、古くからの歴史と、地域住民の信仰心を反映していると言えるでしょう。

地理的特徴

如是村は、芥川と女瀬川という二つの河川によって潤されていました。これらの河川は、農業用水や生活用水として利用され、村の生活と深く関わっていました。豊かな水資源は、農作物の栽培を支え、村の経済発展に貢献したと考えられます。また、河川は交通路としての役割も果たし、村と外部との繋がりを維持する上で重要な役割を果たしていたでしょう。

歴史的変遷

如是村は、明治22年（1889年）4月1日に、町村制の施行に伴い、島上郡の東五百住村、西五百住村、津之江村、芝生村、庄所村の5つの村が合併して誕生しました。村役場は、東五百住に置かれました。その後、明治29年（1896年）4月1日には、所属郡が三島郡に変更されています。昭和9年（1934年）9月1日、高槻町に編入され、如是村は歴史の幕を閉じました。およそ45年間の歴史の中で、村は地域社会の発展に貢献し、人々の生活を支えてきました。

交通

如是村の領域内には鉄道駅はありませんでしたが、村域の北部を鉄道省の東海道本線と、新京阪鉄道の新京阪線（現在の阪急京都本線）が通過していました。これらの鉄道は、村と近隣地域、さらには大阪市街地との交通を繋ぐ重要な役割を果たし、人々の移動や物資の輸送を支えていました。しかし、駅が設置されなかったことから、鉄道の恩恵を直接的に享受するには限界もあったと考えられます。

如是村の消滅と現代

如是村は、高槻町への編入後、行政上の存在としては消滅しました。しかし、その歴史と文化は、現在も高槻市の一部として受け継がれています。村の地名や、かつての集落の痕跡は、地域住民の記憶や、地名の表記などに残されており、その存在を物語っています。如是村の歴史を知ることは、現在の高槻市の歴史を理解する上で非常に重要であり、地域の歴史を学ぶ上での貴重な資料となるでしょう。

参考文献

* 角川日本地名大辞典 27 大阪府

もう一度検索