妖怪腐れ外道

妖怪腐れ外道

『サムライスピリッツ』シリーズに登場する妖怪腐れ外道は、その異形な姿と背負った悲しい過去で、プレイヤーに強い印象を残すキャラクターです。

概要

腐れ外道は、身の丈4.5メートルにも及ぶ巨大な人食い妖怪です。その体は、飢餓によって痩せ細った手足と膨れた腹、そして肋骨が露わになった痛々しい姿をしています。常に食糧を求めており、特に子供を好むという設定は、その残虐性を際立たせています。

元は人間であり、緋雨閑丸の居候先である儚の父親でした。しかし、飢饉の最中に飢えに耐えかねて自分の子供を食べてしまい、その後も人肉を食らい続けた結果、妖怪へと堕ちてしまったのです。人間だった頃の名前や性格は不明ですが、儚の回想によれば「優しい父親」であり、「お米が好き」だったそうです。変わり果てた姿からは想像もできません。

物語における役割

初登場作品である『サムライスピリッツ零』では、住処に迷い込んだリムルルを執拗に追いかけ、捕食しようとします。エンディングでは、ついにリムルルを捕食しようとしますが、駆けつけた儚に阻止されます。儚は、父に人間の心を取り戻してほしいと懇願しますが、一度は改心したかのように見えた腐れ外道は、再び歪んだ笑顔を浮かべ、儚を捕食してしまうのです。

『サムライスピリッツ 天下一剣客伝』でも、食糧を求めて御前試合に参加します。エンディングでは、「悪い子は腐れ外道に食べられる」という教訓として語り継がれる存在となっています。念願のリムルル捕食を達成する場面も描かれています。

キャラクターデザイン

キャラクターデザインは内藤泰弘が担当しました。痩せ細った手足と膨れた腹、肋骨が露出した姿は、飢餓に苦しむ餓鬼を彷彿とさせます。褌と足首に巻かれた布切れ以外は何も身に着けておらず、首には人間の頭蓋骨を提げています。頭髪は、月代を剃った髷が解けたような、だらしなく伸びた状態です。

武器は、骨が露出した右腕そのものです。手首から先は欠損しており、橈骨と尺骨が尖った状態で残っています。腕自体が武器であるため、武器飛ばし技を受けると腕が飛ばされ、隻腕の状態になります。

技

腐れ外道は、その異形な体躯から繰り出される、ユニークな技を持っています。

悪霊呼び: 地面を叩き、無数の手を出現させて相手を捕えます。
胃液吐き: 胃液を吐き出し、地面に落とします。当たると相手はよろめき、追撃のチャンスとなります。
肉持ち上げ: 腹の肉を持ち上げ、体を細くします。この状態では無敵となります。
外道の烙印押し: 相手を掴み、地面に叩きつけます。発生が早く威力も高いですが、外すと大きな隙が生じます。
泥投げ: 泥を投げつけます。隙が大きいため、使いにくい技です。
飛び頭突き: 顔を体から分離させ、頭突きをします。
外道の獲物狩り: 相手を掴み、地面に叩きつけた後、顔と体を分離させて挟み撃ちにします。全キャラクター中、最も威力が高武器飛ばし技です。
外道の晩餐: 相手を捕食する技です。『サムライスピリッツ零SPECIAL』では絶命奥義、『天下一剣客伝』では秘奥義として登場します。捕食後、相手の頭蓋骨（女性キャラクターの場合は装飾品）を吐き出すという、衝撃的な演出が話題を呼びました。

登場作品

サムライスピリッツ零
サムライスピリッツ零SPECIAL
サムライスピリッツ 天下一剣客伝

キャスト

四宮豪（『零』『零SPECIAL』）
増岡太郎（『天下一剣客伝』）

関連人物

リムルル: 捕食対象
* 儚: 実の娘

腐れ外道は、その強烈なキャラクター性で、『サムライスピリッツ』シリーズに確かな爪痕を残したと言えるでしょう。

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