妙国寺 (会津若松市)

宝光山 妙國寺

福島県会津若松市一箕町に位置する妙國寺は、日蓮宗の由緒ある本山であり、宝光山と号します。この寺は、日什門流における重要な寺院の一つで、その歴史は1394年（応永元年）にまで遡ります。日什上人の生誕地であり、墓所でもあるこの地に、弟子の善如房日仁によって開かれました。以来、妙國寺は日什上人の霊廟として、その名を知られるようになりました。

会津戦争と妙國寺

妙國寺が一般にも広く知られるようになったのは、会津戦争の際、白虎隊士たちがこの寺に埋葬されたことがきっかけでした。1868年（慶応4年）8月23日、会津若松城下での激しい戦闘で飯盛山にて自刃した白虎隊士たちは、当時の檀家総代であった吉田伊惣治によって妙國寺に運ばれ、手厚く葬られました。現在も境内には白虎隊の墓が残されており、その悲劇を伝えています。

また、会津藩主であった松平容保公は、降伏後に妙國寺で1ヶ月間謹慎しました。このように、妙國寺は会津の歴史において重要な役割を果たした場所であり、その歴史的背景は、日什門流の名刹としての価値をさらに高めています。

近代の変遷

妙國寺は、戦前まで顕本法華宗の別格本山としてその地位を確立していました。しかし、昭和16年（1941年）には、政府の宗教政策により、日蓮宗、本門宗と合同し、三派合同となりました。戦後、三派合同は解消され、妙滿寺、妙法寺、天妙國寺、寂光寺など200の寺院が分離し、顕本法華宗を再立宗しました。一方で、什門改革派の180の寺院は日蓮宗に残留し、「日蓮宗什師会」を組織しました。この時、妙國寺は日蓮宗什門の四本山の一つとして、現在に至っています。現在の住職は、55世・伊藤日寛貫首が務めています。

伽藍

妙國寺の境内には、以下の伽藍があります。

山門
本堂
梵鐘楼
什師廟
白虎隊墓所

旧末寺

日蓮宗では、昭和16年に本末制度を解体したため、現在では旧本山、旧末寺という呼び方をします。妙國寺の旧末寺は以下の通りです。

宝光山妙國寺（福島県会津若松市一箕町）
久遠山法華寺（栃木県宇都宮市仲町）
了嚴山本岡寺（栃木県芳賀郡茂木町字茂木）
法光山妙顕寺（栃木県塩谷郡高根沢町大字上柏崎）
片岡山本経寺（栃木県矢板市片岡）

交通アクセス

磐越西線会津若松駅からバスに乗車し、妙國寺前で下車。徒歩3分。

外部リンク

会津若松観光ナビ（妙国寺）

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