妙楽寺 (小浜市)

妙楽寺（みようらくじ）

福井県小浜市野代に位置する妙楽寺は、高野山真言宗に属する歴史ある寺院です。山号は「岩屋山」となっており、本尊は千手観音菩薩です。この寺の歴史は古く、養老3年（719年）に行基が本尊を彫ったと伝えられています。その後、延暦16年（797年）には空海が再興したとされていますが、羽賀寺の縁起による名田の寄進もあり、設立の正確な起源は不明です。

妙楽寺は北陸三十三ヵ所観音霊場の第3番札所、また若狭観音霊場の第19番札所としても知られ、数多くの信者や観光客が訪れる場所となっています。また、山門は1777年（安永6年）に再建されたもので、外観からも歴史を感じることができます。

文化財

妙楽寺にはいくつかの重要な文化財があります。特に本堂は重要文化財に指定されています。鎌倉時代初期に建立されたこの本堂は、付属の厨子内部に「永仁4年（1296年）」の名が刻まれており、若狭地域内で最も古い建造物の一つです。建物は桁行5間、梁行5間のほぼ正方形を形成する寄棟造りで、檜皮葺きの屋根が特徴です。

また、木造の千手観音立像は平安時代中期に作られたもので、檜の一木から彫られたものです。この像は長年にわたって秘仏として守られてきたため、現在も金箔で覆われています。千手観音像には通常、42本の手が表現されますが、妙楽寺の像は42本の大きな手の間に多数の小さな手を持つ「真数千手」として知られ、非常に珍しい存在とされています。

交通アクセス

妙楽寺へのアクセスも良好です。JR西日本の小浜線小浜駅からは車で約15分の距離にあります。また、舞鶴若狭自動車道の小浜ICからは約5キロメートル、若狭西部広域農道の木崎からもおおよそ2キロメートルです。周辺には多くの名所や寺院が点在しており、参拝の帰りに立ち寄るのも良いでしょう。

近隣の寺院や神社

近隣には、明通寺、萬徳寺、圓照寺、多田寺、若狭彦神社、羽賀寺などの名所があります。これらの場所も歴史的価値が高く、訪問することで、日本の仏教文化や歴史に触れることができます。

参考文献

記事に関連する情報は「福井県史」や「小浜市史」、「越前若狭古文書選」、「若狭遠敷郡史」などの資料から得られました。これらの文献は、妙楽寺の歴史や文化的背景を更に深く理解するための参考になります。

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