妙法寺 (山梨県富士河口湖町)

蓮華山 妙法寺

妙法寺は、山梨県南都留郡富士河口湖町小立に位置する法華宗本門流の寺院です。山号は蓮華山と称し、岡宮光長寺の末寺にあたります。この寺は、戦国時代の記録である「妙法寺記」が残されていることで知られています。この記録は、当時の社会情勢や寺の歴史を詳しく知る上で貴重な資料となっています。

歴史

妙法寺の起源は、文永6年（1269年）に日蓮聖人によって開かれた法華堂に遡ります。当初は別の場所にあった法華堂は、文永11年（1274年）に川窪寺屋敷跡（六角堂）に移転しました。その後、永禄2年（1559年）に現在の場所に移り、再興されました。しかし、明治19年（1886年）には火災により伽藍が焼失してしまいます。現在の本堂は、明治32年（1899年）に再建されたものです。この再建された本堂は、当時の建築技術と信仰心が結集されたものと言えるでしょう。

富士河口湖町指定文化財

妙法寺には、富士河口湖町によって指定された複数の文化財があります。

三十番神堂

明治23年（1890年）に再建された三十番神堂は、折衷様建築が特徴です。この建物は、明治20年に静岡県伊豆市にある福地山修善寺の大黒天半跏像の修復を行った、小土肥の彫刻師である勝呂浪義（万之助）によって手がけられました。彼の卓越した技術が、この堂の随所に見られます。

廻り舞台

廻り舞台は、明治19年（1886年）の火災で焼失した後に再建されたものです。この舞台は、当時の寺院における芸能活動を偲ばせる貴重な遺構です。

庫裏

庫裏は、江戸時代後期の文政元年（1818年）に建てられたもので、船津にあった井出興五右衛門宅の古民家を、明治時代の明治20年頃に移築したものです。この庫裏は、当時の民家の建築様式を伝える貴重な資料となっています。

参考資料

日蓮宗寺院大鑑編集委員会『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』大本山池上本門寺 (1981年)
市川智康『日蓮聖人の歩まれた道』水書房

妙法寺は、その歴史と文化財を通じて、地域の人々の信仰と文化を今に伝える重要な場所です。訪れる人々は、この寺の歴史と文化に触れ、心の安らぎを得ることでしょう。

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