妙法寺 (杉並区)

妙法寺（みょうほうじ）

妙法寺は東京都杉並区堀ノ内にある日蓮宗の本山で、山号は日円山です。もともとは真言宗の尼寺でしたが、1615年から1624年の元和年間に日逕上人が母・日圓法尼の菩提のために日蓮宗に改宗しました。この際、寺の名称を妙法寺に変更し、山号は日圓法尼に由来する日円山となりました。

その後、妙法寺は碑文谷法華寺の末寺として発展していましたが、1698年に碑文谷法華寺が江戸幕府の弾圧により改宗を余儀なくされ、身延山久遠寺の末寺となります。この過程で日蓮の祖師像が譲り受けられ、それが厄除けの利益があるとして、多くの信者に信仰されるようになりました。現在でも多くの参拝者が訪れ、厄除けの祈願を行っています。

妙法寺は文化的な側面でも知られ、古典落語「堀の内」の題材に取り上げられるなど、地域の文化に深く根付いています。その教育活動として、1926年には妙法寺貫首により東京立正短期大学や東京立正中学校・高等学校が設立されています。1952年には妙法寺は本山に昇格し、その歴史がさらに強調されることとなりました。現在、37世の山田日潮貫首が住職を務めています。

境内の特徴

境内にはいくつかの文化財が存在し、歴史的な意義も大きいです。まず仁王門には、徳川家綱から寄進された金剛力士像が安置されており、これは東京都指定の有形文化財です。また、祖師堂には厄除け祖師像が収められ、こちらも東京都の有形文化財としてその価値が認められています。

本堂や二十三夜堂も境内の重要な要素です。二十三夜堂では、毎月23日のみ開帳される二十三夜尊大月天王が祀られており、特に10月23日には二十三夜尊大祭が開催されます。また、1878年に完成した鉄門は国の重要文化財であり、和洋折衷のデザインが特徴です。これらの文化財は、妙法寺の歴史を物語る重要な資産なのです。

さらに、有吉佐和子を偲ぶ碑も境内に立てられています。彼女は当地に住んでいた著名な作家であり、その影響は現在でも健在です。

文化財の一覧

妙法寺には、いくつかの指定文化財があります。中でも重要文化財として認定されているのは、明治11年に建立された妙法寺鉄門です。この鉄門は、日蓮宗の楼門脇に位置しており、和風のデザインに洋風の要素が加わっています。

東京都指定の有形文化財には、祖師堂、書院、仁王門などが含まれており、地域文化の重要な部分を成しています。さらに、杉並区指定の有形文化財としても、いくつかの貴重な資料が保存されています。

アクセスと拝観

妙法寺へのアクセスは非常に便利です。東京メトロの丸ノ内線・新高円寺駅や方南町駅から徒歩で約15分の距離です。また、阿佐ヶ谷駅や渋谷駅から都営バスを利用することもできます。拝観は日中の時間帯に限り、無料で行われており、地元の人々や観光客にとって親しみやすい場所です。

このように、妙法寺はその歴史的価値や文化的意義から、多くの人々に親しまれている存在です。厄除け信仰を支える場としての役割を果たしながら、地域文化の象徴でもある妙法寺は今後も多くの参拝者を迎え入れることでしょう。

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