妙法寺 (鎌倉市大町)

妙法寺（みょうほうじ）

神奈川県鎌倉市大町に位置する妙法寺は、日蓮宗に属する寺院です。山号は楞厳山と呼ばれ、日蓮宗の大本山である本圀寺から流派を引き継いでいます。この寺院は、特に「苔寺」として知られており、その名の由来は苔に覆われた美しい石段にあります。

歴史

妙法寺の歴史は、建長5年（1253年）に日蓮が移住した松葉ヶ谷草庵の跡から始まります。境内の奥には「御小庵趾」という碑が建っていますが、近隣の安国論寺や長勝寺もこの草庵跡を主張しており、すべての寺院が日蓮に開山され、同じ年に創立されたとされています。

実際の開山は日蓮から数えて第5世となる楞厳法親王、日叡によって行われました。延文2年（1357年）、日叡は自らの幼名に因んで楞厳山法妙寺と名付け、後醍醐天皇の子である護良親王のために堂宇を建設しました。現在、境内には護良親王の墓があり、また日叡自身の墓も存在します。

1500年代初頭、日澄第11世が日蓮の生活を描いた絵詞や法華経を研究した書物を著し、長い歴史の中で学問の拠点としての地位を築きました。江戸時代には、特に第32世日応と第33世日慈が多くの人々に信仰を集め、将軍家や大名から尊崇を受ける寺院へと成長しました。

境内の特徴

妙法寺の境内には、文政年間に建立された本堂があります。この本堂は、肥後細川家によって建立され、彼女の冥福を祈るためのものでした。また、大覚殿には釈尊と妙法稲荷大明神が祀られています。仁王門の左手には、舞扇を供養するため塚である扇塚があり、幕末に起きた戦の戦没者を祀る薩摩屋敷焼討事件戦没者墓も存在します。

特に目を惹くのは、仁王門から釈迦堂跡へ続く苔に覆われた石段です。この石段は「苔の寺」とも呼ばれる要因となっています。苔の保護のため、通行は制限されていますが、脇には新しい階段が設けられています。また、日叡が手植えしたとされる蘇鉄や、文化の時代に水戸家によって建てられた法華堂も境内に存在しています。

奥の院には松葉ヶ谷草庵跡とされる「御小庵趾」があり、そこから少し登ると護良親王の墓があります。日叡や南方の墓も近くに位置しています。

文化財とその重要性

妙法寺には多くの文化財が保存されており、鎌倉市の指定文化財として木造表門と本堂の障壁画が存在します。これらの貴重な資産は、地域の文化や歴史を物語っています。

アクセス

妙法寺へは、鎌倉駅から京浜急行バス（名越経由逗子駅行き）で「名越」停留所から徒歩約3分。または、鎌倉駅から徒歩20分で到着します。拝観料は300円です。

まとめ

訪れる人々に静かな安らぎを提供する妙法寺は、歴史が息づく美しい場所です。苔に覆われた石段や多くの文化財が訪問者を魅了し、心に残るひとときを与えてくれます。ぜひ、鎌倉の歴史と文化を感じるために足を運んでみてください。

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