妙高野尻バイパス

妙高野尻バイパス

妙高野尻バイパス（みょうこうのじりバイパス）は、主要国道の一つである国道18号の一部を構成するバイパス道路です。この路線は、長野県上水内郡信濃町野尻から新潟県妙高市毛祝坂までの区間にわたって整備されました。特に、長野県と新潟県の県境を跨ぐ区間において、従来のルートが抱えていた走行環境上の課題を改善し、より安全でスムーズな交通を実現することを目的として建設されました。

現在、妙高野尻バイパスは全長4.0キロメートルの全線において、上下線それぞれ1車線ずつの完成2車線構造で供用が行われています。このバイパスの開通により、この地域の交通状況は大きく改善されました。

整備の目的

本バイパスの整備が計画された背景には、国道18号の長野・新潟県境区間における様々な課題がありました。地形的な制約や線形の悪さなどから、特に積雪時や悪天候時には安全な通行が困難になることもありました。妙高野尻バイパスは、こうした問題を根本的に解決し、年間を通じて安定した安全な走行環境を確保することを目指して整備されました。また、通過時間の短縮や、交通容量の増加による渋滞の緩和も期待され、地域間の連携強化や物流の効率化に寄与しています。

路線諸元

妙高野尻バイパスは、以下の主要な諸元に基づいて設計・建設されています。

起点: 長野県上水内郡信濃町野尻
終点: 新潟県妙高市毛祝坂
総延長: 4.0 km
新潟県内の区間: 3.1 km
長野県内の区間: 0.9 km
道路構造令上の規格: 第3種第2級
設計速度: 60 km/h
最急縦断勾配: 6.0 % (60パーミル)
最小曲線半径: 560 m
道路幅員:
全体幅員: 17.0 m（標準部）、14.5 m（橋梁部）、11.0 m（トンネル部）
車道幅員: 3.5 m × 2車線
歩道幅員: 3.0 m
車線数: 2車線（往復）

これらの諸元は、設計速度60 km/hの幹線道路として、適切な走行性能と安全性を確保するために定められています。

主な構造物

妙高野尻バイパスのルート上には、いくつかの重要な構造物が設けられています。特に代表的なものは以下の通りです。

信越大橋（しんえつおおはし）: 長野県と新潟県の県境を跨ぐ位置に架けられた橋梁で、その全長は902メートルに及びます。このバイパスにおいて最も規模の大きな構造物の一つです。
毛祝坂トンネル（けわいざかトンネル）: 新潟県妙高市内に位置するトンネルで、延長は338メートルです。

これらの橋梁やトンネルにより、起伏のある地形を直線的に通過することが可能となり、バイパスとしての機能が向上しています。

沿革

妙高野尻バイパスの整備事業は、以下のような歴史をたどっています。

1984年（昭和59年）1月14日: バイパスのおおよそのルート計画が公にされました。
1986年度（昭和61年度）: 事業に必要な用地の取得が開始されました。
1991年（平成3年）11月: 建設工事の着手を祝う起工式が執り行われました。
1997年（平成9年）7月16日: 全線が開通し、一般交通の供用が開始されました。

計画段階から全線開通まで、十数年の期間をかけて完成に至りました。

交通量

国土交通省が実施した道路交通センサスにおける2005年度のデータでは、平日24時間あたりの交通量が以下の地点で観測されています。

長野県上水内郡信濃町野尻赤川1053-1付近: 7,508台
新潟県妙高市関川付近: 6,953台

このデータは調査当時のものですが、本バイパスが県境を越える主要な交通路として利用されている状況を示しています。

通過自治体

妙高野尻バイパスがルートとして通過している自治体は以下の二つです。

長野県 上水内郡信濃町
新潟県 妙高市

このバイパスは、これら二つの自治体を結ぶ重要な連絡路として機能し、両県間の交流や経済活動を支えています。

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