道路構造令

道路構造令について

道路構造令（どうろこうぞうれい）は、日本の[[道路]]法第30条第1・2項に基づき、新たに道路を設けたり改築する際の基準を定めた政令です。1970年10月29日に公布され、1971年4月1日に施行されました。この法令は、道路設計の基本的な技術基準を提供するもので、道路の種類や交通条件に応じた構造を確立しています。

道路の区分

道路は、種類や交通量、地域の特性に応じて区分されます。具体的には、第1種から第4種に分類され、これらの区分に基づいて道路の基本構造が決まります。たとえば、第1種は一般的な高速道路、第2種は都市高速道路、第3種は一般道路、第4種は都市計画道路を指します。また、特別な事情がある場合には、規定の等級のひとつ下に分類されることもあります。

横断面の構成

道路の横断面構成には、車道、路肩、歩道、自転車道などが含まれ、それぞれの標準的な幅が設定されています。設計する道路の交通機能や空間機能を考慮し、必要な幅員が決定されます。たとえば、一般的な車道の最小幅員は2.75mであり、高速道路ではより広い幅員が求められることがあります。

車線数と設計速度

車線数は、設計基準交通量を基に決定されます。この基準は、道路の種類や等級によって異なるため、往復2車線または4車線以上の設定がなされます。また、設計速度については、安全に自動車が走行できる速度とされており、一般の道路では通常の制限速度の計算には使われませんが、高速道路では制限速度の上限として考慮されることがあります。

線形とその設計

道路の線形に関しては、視覚的な調和や安全性、交通の円滑性を考慮して決定されます。平面線形は直線や曲線で構成され、縦断線形は勾配により決定されます。これは、設計速度と密接に関連しており、高速道路では緩やかな曲線と勾配が求められます。

その他の設計基準

道路構造令では、制動停止視距や追越視距、および交差点やトンネルなどの設計基準も定められています。特に、制動停止視距は運転手が障害物を視認してから安全に停止するために必要な距離であり、これを基に設計されます。

道路整備率と改良率

道路構造令に基づいて改良された道路の総延長は「道路改良率」として示され、全国で92.8%に達しています。また、混雑度が1.0未満の改良区間の割合を示した「道路整備率」は70.7%となっています。

旧道路構造令

1971年以前は、旧・道路法のもとで制定された道路構造令が使用されており、1952年に施行された新・道路法に基づく基準が改訂されました。戦後、日本では自動車交通が普及する中、初めて自動車を想定した基準が採用されるに至りました。

高度な交通社会を支えるために、道路構造令は理論と実践に基づいた基準を提供しており、安全でスムーズな移動を実現する重要な役割を果たしています。

もう一度検索