妻木重直

妻木重直（つまき しげなお）は、慶長9年（1604年）に生まれ、天和3年3月27日（1683年4月23日）に80歳で没した、江戸時代前期の旗本です。3,000石を領し、下郷妻木家の二代目として家を継ぎました。通称は伝兵衛、彦右衛門で、頼熊（よりくま）とも名乗りました。妻木貞徳の三男である妻木重吉の子として生まれ、弟に重門がいます。

重直は徳川家康に仕え、その才能を発揮しました。万治3年（1660年）には長崎奉行に任命され、その手腕を振るいました。寛文2年（1662年）からは勘定奉行として、幕府の財政を支える重要な役割を担い、寛文10年（1670年）までその職を務めました。

また、寛文7年（1667年）には、奈良奉行の大岡忠高とともに東大寺二月堂の再建に尽力しました。この再建事業は、重直の功績の中でも特筆すべきものとして知られています。

重直の正室は、真田昌幸の六女である清光院です。しかし、清光院は寛文10年（1670年）7月に亡くなっており、重直は妻に先立たれています。

重直には、二人の息子がいました。長男は頼保（よりやす）で、奈良奉行を務めました。次男は幸頼（ゆきより）で、旗本である真田幸吉の婿養子となり、真田家を継承しました。幸吉は、同じく旗本である真田幸政の子です。

重直は、旗本として幕府に貢献する一方で、文化的な事業にも尽力し、80歳でその生涯を終えました。

参考文献
柴辻俊六『真田昌幸』吉川弘文館（人物叢書）、1996年 ISBN 464205202X
日本人名大辞典（講談社）

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